ネット通販、ボーダレス化とスピードアップで拡大加速?

\ あなたにピッタリの銘柄がみつかる /

みんかぶプレミアムを無料体験!

プランをみる

お知らせ

読み込みに失敗しました。

しばらくしてからもう一度お試しください。

重要なお知らせ すべて見る

板さんのブログ

最新一覧へ

« 前へ10件目 / 全13件次へ »
ブログ

ネット通販、ボーダレス化とスピードアップで拡大加速?

本日はネタがないので日経新聞トップ記事から。

「日中でネット通販連携 − ヤフー、中国最大手と」との見出し。

中国サイドの淘宝網(タオバオ)はソフトバンク出資の中国ネット大手企業アリババグループの中核企業だそうです。

アリババは知る人ぞ知る企業間(B2B)の電子商取引サイト運営企業で、そのB2C即ち個人向けネット通販をタオバオが担当しています。

出店数はヤフー1万7,300店に対しタオバオは210万店。会員数はヤフー約1,900万人に対しタオバオは1億7,000万人ということで、さすが中国、スケールが違います。

通販で重要な鍵を握るのは物流です。

報道によると、両社は商品配送に当たって「日本の大手物流会社と組むことを検討している」そうです。

通販に必要なのは「宅配便」。国内の宅配便市場は今やヤマトホールディングス(9064)、SGホールディングス(佐川急便グループ、非上場)の2大陣営の寡占市場となっています。

国際化で先行しているのはSGですが、ヤマトは国際輸送分野でグローバルロジスティクスを強く志向する日本郵船グループと資本提携しており、昨年は中国、シンガポールで現地企業との合弁により宅配便参入を相次いで表明するなど急速な巻き返し、というか「本気」を見せ始めています。

忘れてはいけないのは、通販で利用する宅配サービスに求められるもの、それは、価格はもちろんなのですが、今後はそれ以上に「サービス品質」、もっと端的にいえば、正確さとスピードが求められるようになるでしょう。

この点で、ヤマトはSGに現時点でもかなり差をつけているように見えます。少なくとも国内では。

宅配便取扱個数ではヤマトはSGの2割増程度の差しかありませんが、従業員数はヤマトがSGの2倍以上、配送拠点数はヤマトがSGの10倍以上の規模です。

ある意味、生産性という点ではSGがヤマトを圧倒していると言えるわけですが、単価を低く設定していることもあって、両者の利益率は殆ど変わりません。

ヤマトは今、配送のスピードアップをさらに押し進める戦略を進めています。数年後には当日、あるいは翌日午前中配達完了エリアを大幅に拡大する方向です。SGはまず付いて来れないでしょうね。

ここが実は非常に重要な点です。お気づきかもしれませんが、今、ネット通販市場で、配送時間の短縮化を強く志向する動きが出ているのです。

アマゾンドットコムでは数年前からアマゾンプライムという会員制の即日、翌日配達サービスを導入しており、全世界でこのプライムは増収の牽引役となっているようです。日本でこのプライムサービスの配送を担当しているのはヤマトです。

最近では、ネット通販最大手の楽天が「あす楽」という翌日配達サービスを開始しており、ヤフーでも同様のサービスを開始しています。今のところ両社のサービスは、前日午前中までの注文にしか翌日配送は対応できていないようですが(従ってヤマト以外の事業者でも対応可能)、今後通販商品配送に要求されるスピードはますます加速するでしょう。

あるネット通販大手コンサルタントの話によると、配送スピードがさらに速くなって前日午後や夜の注文で翌日午前中配達が可能になれば、ネット通販市場そのものの拡大スピードも大きく加速するだろうとのことです。これは私自身の感覚からしても至極当然のことと思われます。

ということで、冒頭の記事からかなり脱線してしまいましたが、宅配スピードアップによって国内だけでも通販市場はまだまだ大きく拡大するでしょうし、その相互作用で宅配市場もこれからまだ大きく伸びるでしょう。

これに、通販の国際化による市場拡大が加わる可能性が高くなっていることになります。

この市場拡大を享受できるのは、基本的にヤマトとSGの2グループにほぼ絞られるでしょう。前に述べた状況から、私はヤマトのポテンシャルがSGよりかなり大きいと思っています。

ヤマトの株価バリュエーションは、本日終値1,234円基準で、今期会社予想PER17.5倍、同予想ROE6.2%に対し同予想PBR1.1倍。直近ではテクニカル面でやや過熱感もありますが、長い目で見れば結構良さげにも見えます。
コメントを書く
コメントを投稿するには、ログイン(無料会員登録)が必要です。

ネット証券比較

みんかぶおすすめ