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桃栗三年 →モモ膝三年 →乳繰り三年

 最近出た荒谷一成著「囲碁名棋士たちの頭の中」に小林光一九段の前夫人禮子さんが色紙に揮毫された言葉が『桃栗三年柿八年』の囲碁版ともいうべき、『桃栗三年囲棋一念』だったことを知った。(※囲棋(イゴ)は囲碁と同じ意味)
 桃や栗なら三年で実がなるが、囲碁棋士は情熱を一生貫く覚悟がなければ実らないというメッセージだという。さすが、木谷家をついだ人の言葉だけに重みを感じる。

 ただ、人はこういう生真面目な標語に出会うと感心する反面、一方でなんか知らないが反発心もどこかに湧くのではないだろうか?
 例えば、至誠の人、西郷隆盛が残した「誠は天の道なり」に、夏目漱石が「誠は天の道なり、人の道にあらず」とさらりと付け加えたように……。

 桃栗三年のバリエーションでは、かつて吉行淳之介の随筆から、翔年は「モモ膝三年尻八年」を書いた。勉強熱心な方は2005/08/05のこちらを復習していただきたい。

 吉行さんにはとても及ばないが、翔年はどこかでこんなバージョンを読んだ記憶がある。

乳繰り三年ガキ十ヶ月
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