ドル円上昇で試される投資家の心

[out of officeさん]

 

ドル円の日足チャートにボリンジャーバンドを描画しています。朝8：50の日本機械受注発表で、市場予想よりも低かった伸び率を受けて、円が売られたものの、日足ベースで見ると89円ちょっとまでの上昇は、機械受注に頼るかどうかはともかく、何かしらの原因で発生することになっていたと考えるのが、テクニカル分析です。相場は必ず上がったり下がったり、ブレを繰り返しながら、大きなトレンドを形成します。自然界に存在する理屈のようなものです。人間が織りなす経済活動の評価、為替についても同じ現象が起こります。1人残らず全員が円高と考えるのであれば、その指標で100％満たされるのであれば、円の売り手が存在しないため値がつかず、妥当な、たとえば1ドル80円といった値段にまで一瞬のうちに到達してしまうことになります。買い手と売り手の両方が存在してはじめて相場が成り立ちますから、当然のことなのですが、それを拮抗状態に近づけて考えると、ブレが発生する仕組みが理解できます。チャート分析、テクニカル分析によって大きな流れを掴んだら、あとはそのブレといかに付き合うかが重要となってきます。思った方向とは逆にいってしまうことがあっても、慌てず、トレンドを信じてトレードできるか、そのためのポジショニングができるか、それらの戦略を支える「勝てる投資家の心」を持てるかが、勝敗を決します。テクニックよりも、心が重要です。評論家には誰でもなれますが、投資家になれる人が限られているのは、そのためです。心の強さは、生来のものだからなのでしょう。もちろん、訓練や、多くの失敗によって、心を作ることはできなくありませんが・・・。