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金融緩和はリスクマネーの膨張を生み出すことになる

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● 【本日のニュース】/FRB議長が議会証言、金融緩和を当面は維持
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米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は21日、下院金融サービス委員会で証言し、米経済の現状について「景気下降のペースは著しく緩やかになったようにみえる」と説明した。「最終需要や生産には一応の安定化の兆しがある」と景気判断をやや前進させた。ただ、雇用の悪化や住宅価格の下落に懸念も示し、「金融政策は引き続き景気回復を促すことに重点を置く」と述べ、現在の積極的な金融緩和を当面継続する考えを示した。


(2009/07/21付日経速報ニュースより一部抜粋)


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【ニュースの深層】金融緩和はリスクマネーの膨張を生み出すことになる
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。


経済アナリスト、木下晃伸です。



■現在、株式市場において最も重要な点は「金融緩和が続くかどうか」という点に尽きます。


現在は、米国企業を中心に4-6月期決算が本格化、投資家の市場予測を上回る決算が飛び出し、株価を押し上げていますが、それも、金融緩和があってこそ、と言えるのです。


6月中旬より株価は下落してしまっていたわけですが、その理由の一つとして、金融緩和が終了しようとする動きが欧州で見られたことがあります。


「出口戦略」と呼ばれる、異常事態の金融緩和策を平常時に戻すべき、という考え方のことです。



■しかし、出口戦略に関しては議論されることは重要なことだが、実行に移すのは時期尚早との判断が先頃閉幕したイタリア・ラクイラサミットで宣言されました。


その結果、株価下落の勢いが弱まり、そこに企業の好決算という好材料が飛び出したため、株価が上昇を開始した、というわけです。


金融緩和を行なうことで、リスクマネーが膨張していきます。しかし、リスクマネーはずいぶん臆病な時があります。


しかし、チャンスと見るや怒濤のように投資対象に流入してくることも特徴。



■昨日のバーナンキ議長の発言は、これからも金融緩和が続くことを明言しているわけであり、少なくともリスクマネーが収縮する心配はない、と考えることができます。


となれば、私たちはリスクマネーが流れ込む対象を探せばいい、ということになる。今回のように「好材料」となりうる企業業績について分析をすることも当てはまるでしょう。


日本でも、これから本格化する4-6月期決算はもちろんのこと、企業訪問を行なうと、下半期に向けて業績が改善する期待が高まっている企業も多く見られます。


6月をピークに下落基調にあった株価ですが、金融緩和という下支えから生み出されたリスクマネーが暴れ出そうとしています。反転からさらに上値を追うタイミングに来ていると考えています。


(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)
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