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三洋電機「だから」過大評価されて当然、と考えられるか

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●【本日のニュース】/三洋電にみる「環境」への過大評価
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日経平均が年初来安値をつけた3月10日か1万円を回復した先週までで、株価上昇率が大きいのは三洋電機やジーエス・ユアサコーポレーションなど太陽電池や自動車用2次電池メーカー。電池材料や充蓄電装置などの材料メーカーも上位を占める。


中でも三洋電は19日の終値こそ前日比11円(4%)安の259円となったが、3月10日からの上昇率は95%。08年12月にパナソニックとの資本業務提携を発表し、株価はパナソニックによる株式公開買い付け(TOB)価格131円近辺での動きが続いていたが、4月後半から急上昇した。


三洋電の企業価値は急速な株価上昇に見合うものなのか。割引キャッシュフロー(DCF)法で試算してみる。3月末の有利子負債や時価総額の状況から、現在価値への割引率として使う加重平均資本コスト(WACC)を推定。
中期経営計画などを基に長期のフリーキャッシュフロー(FCF)を算出したうえで、FCFの現在価値の合計に現預金や有価証券などを加えたところ、企業総価値は1兆5427億円になった。


有利子負債を差し引いた株主価値を優先株転換後の発行済み株式数で除すると理論株価は175円となる。パナソニックのTOB価格よりは高いが、現在の株価を大きく下回る。仮に中計最終年度(12年3月期)にチャレンジ目標としている1000億円まで営業利益が拡大したとしても理論株価は194円だ。


(2009/06/20日経速報ニュースより一部抜粋)


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【ニュースの深層】三洋電機「だから」過大評価されて当然、と考えられるか
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。


経済アナリスト、木下晃伸です。



■3月から続く株価上昇を、どうしても信じたくない人が多いようです。


しかし、私は指数ですらボトムから4割も上昇している日経平均株価の上昇を見逃してしまうことは、ここ数年のリターンとしては劇的な差になっていると考えます。


私は幸運にも、3月中旬に「株価暴騰の予感」と題し、緊急特別リポートを配信、まれに見る上昇相場に乗ることができました。平均株価ですら4割もの上昇をする、というのはそれほど経験することではありません。


いつまでも弱気を吐いていても株式市場は待ってくれません。


しかし、乗れなかった投資家、特にプロと呼ばれる人たちはたまったものではありません。


特に、弱気コメントをずっと語っていた人たちにとっては、信じられないし、信じるわけにはいかないのでしょう。


それが、本日紹介する「三洋電機」のような形で現れるわけです。



■私が、よりレベルの高い極みをめざす投資家の方々に対して、ファンドマネジャーの視点を平日毎日音声セミナーにて余すことなくお伝えしているプレミアムメールマガジン「木下晃伸をファンドマネジャーに雇いませんか?
(ゴールドリポート)」では、三洋電機に関して、すでに3月初旬に魅力を感じ、紹介をしています。


※プレミアムメールマガジン
「木下晃伸をファンドマネジャーに雇いませんか?」とは?

http://premium.mag2.com/lineup/P0006893/ 



多くの有識者は、分析する経験は豊富にあっても、「株式市場の荒波」を実体験として経験している人は少ないと思います。


実際、ファンドマネジャー経験者で、私のように物を書いたり、意見を発信したりしている人は極めて少ないように思います。


ファンドマネジャーは、いくら分析力が優れていて弁が立っても、株式市場で成績をあげられなければ、サラリーマンファンドマネジャーは論外として、多くの場合職を辞さなければなりません。


さらに、どこかの組織に所属しているのであればともかく、私のように独立してやっていますと、当たらなければ終わり、なわけです。



■その中で、三洋電機ですが、ファンドマネジャーの視点を持つと、「どうして今のタイミングで、DCFを使った企業価値分析を行う必要があるのだろうか」と思わずにはいられませんし、「こういう記事がまだたくさん出ているのであれば、これからの上昇を安心して待っていられる」と思うわけです。


ここまでの上昇は、剥落した信用に対し、金融機関に対する公的資金注入、事業会社に対する直接的な資本注入など、世界中がモラトリアム(支払い猶予)を起こしたことで巻き起こった信用回復局面における株高です。


その際、企業価値がどうこうは、株式市場はまったく関係がありません。


とりあえず、信用が回復し倒産しないのであれば、倒産しない水準までは株価が上がる、というレベルです。



■そのとき、起こるのが「モラトリアム相場」。これは、財務体質が悪かったり、企業業績が芳しくない企業「ほど」上昇する、というもの。


典型例はフォードでしょう。


少し前まではつぶれそうと言われていた企業。しかし、株価はどうか。すでにリーマンショックを回復し、大幅な株高を演じているのです。彼らの収益力からは乖離した株価推移です。ボトムから実に3倍もの上昇です。


※Ford Motor Company (Public, NYSE:F)

http://www.google.com/finance?q=f


これと同様なのが三洋電機なのです。決して財務体質が良好なわけではない。
企業業績が好調なわけではない。


「だから」企業価値以上にモラトリアム相場の場面では上昇する、と考えるべきなのです。



■いまはまだモラトリアム相場の真っただ中。急ピッチの上昇であったことで、一旦は休憩することがあるかもしれません。


しかし、モラトリアムが続いている以上、実態価値と乖離して株価が上がる可能性は、まだまだあると、私は考えています。


(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)
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