【伊藤忠商事】10/3期は最終減益計画だが、上振れの期待も

[TIW藤根 靖晃さん]

株価は3月中旬以降、7割を超える上昇を記録した。世界景気の底入れ期待、足元の原油価格上昇が追い風になった。総合商社セクターの株価は総じて、指標面の割安感を評価するよりも、原油価格に連動する傾向を強めている。収益力が着実に強化されていることに対しては、セクター全体として評価不足の印象が強い。収益力を評価すれば上昇余地は大きいだろう。
09/3期業績は、売上総利益段階では5期連続の過去最高更新と高水準だったが、事業撤退損失や評価損計上などで最終利益は減益だった。10/3期については、世界経済情勢悪化の影響を受けて、売上総利益段階での減益が予想される。一過性の損失処理が一巡しても、最終利益は減益の可能性が高い。ただし原油価格などの動向によっては、上振れの期待も高まる。

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