【投資脳のつくり方】「パンデミック」が株式市場を揺るがせる

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2009/04/27 - 木下 晃伸さんの株式ブログ。タイトル:「【投資脳のつくり方】「パンデミック」が株式市場を揺るがせる」 本文:──────────────────────────────────── 【本日のニュース】/豚インフル「緊急事態」 ────────────────────────────────────

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【投資脳のつくり方】「パンデミック」が株式市場を揺るがせる

木下 晃伸さん
木下 晃伸さん
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【本日のニュース】/豚インフル「緊急事態」
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世界保健機関(WHO)は25日夜(日本時間26日朝)、メキシコ、米国での豚インフルエンザの人への感染を受けて同日開いた緊急委員会の結果、「最近の状況は国際的に懸念される公衆衛生の緊急事態」との認識で一致したとする声明を発表した。


メキシコ政府は25日、感染が原因とみられる死者が81人になったと発表。米でも感染者が21人に増えた。世界各地で疑い例が相次ぎ、他地域への感染拡大の懸念が出てきた。


(2009/04/27日本経済新聞朝刊1面より一部抜粋)


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【ニュースの深層】「パンデミック」が株式市場を揺るがせる
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。


経済アナリスト、木下晃伸(きのした・てるのぶ)です。



■先週はトップアイドルの衝撃的なニュースが日本を覆いましたが、株式市場において最も重要なニュースは「豚インフルエンザ」の発生でしょう。


世界保健機関(WHO)報道官は24日、メキシコで最近、人間への「豚インフルエンザ」の感染が報告され、約60人が死亡した疑いがあると明らかにしたことが発端。


米保健当局は国内で見つかったウイルスは豚、鳥、ヒトの混合型でこれまでに見つかっていないタイプで、「ヒトからヒト」への感染が起きていると指摘。


両国で新型ウイルスによるインフルエンザが流行する恐れがあることが分かり、世界中に激震が走ったのです。



■新型ウイルスによるインフルエンザとは、鳥や豚などに感染するインフルエンザウイルスが変異し、人から人へ急速に感染するのが特徴。


新聞報道によれば、メキシコと米国で見つかった豚インフルエンザは、警戒されている鳥インフルエンザとは別の「H1N1型」で、1918年のスペインインフルエンザを引き起こしたことで知られ、現在も「Aソ連型」として人間の間で流行しているようです。


また、今回のH1N1型は豚と人、鳥に感染するウイルスの遺伝子を併せ持つ特徴があり、豚で流行するうちに変異し新型となった可能性があるとのこと。



■これらを受け、WHOは25日夕(日本時間同日深夜)、メキシコと米国で豚インフルエンザの人への感染が多数確認されたのを受け、世界各国の専門家で構成する緊急委員会を開いています。緊急委の開催は制度の発足以来初めて。


WHOはこれを受けて、新型インフルエンザの「パンデミック」に備えて六段階に設定されている警戒水準(フェーズ)の引き上げも検討する見通しです。


「パンデミック」とは、世界的規模で感染症が流行し、しかも、地球各地で時間をおかず連鎖的に流行していくこと。


新書「パンデミック」(小林照幸著、新潮新書刊)では、新型インフルエンザについて、衝撃的な記載があります。


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厚生労働省は2005年12月、初めての新型インフルエンザ対策である「新型インフルエンザ対策行動計画」を策定した。


これは同省のホームページでも閲覧が可能である。随時、修正され、改訂も施されている、

この計画では、

「日本で新型インフルエンザの患者が1人でも発生した場合、人口1億3000万人のうち、わずか2ヶ月で25%にあたる3200万人が感染し、最大で2%にあたる64万人が死亡する」


と推測を記している。

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(本書P.15より一部抜粋)



■WHOの現在のフェーズは「3」(人から人への感染が全くないか極めて限定的)で、緊急委の結果によっては「4」(人から人への感染が増加する証拠のある)に上がる可能性があるよう。


「4」への引き上げは、WHOが新型インフルエンザの発生を事実上宣言することを意味します。


どこまで拡大するかは別にして、いずれにせよ現時点で同ニュースを株式投資においてどう考えるか、と言えば、やはり“ネガティブ”と言わざるを得ないでしょう。


というのも、かつて2002年のSARS(サーズ)、2008年の中国製餃子事件など、安全に関わる問題は、ヒトの流れをピタッと止めてしまいます。


2008年の中国製餃子事件では、あの北京五輪開催時でも、諸外国からの北京来訪者は前年対比でマイナスであったというデータがあります。


そして、その間、株価はどうなったか、と言えば下落基調。


それぐらい、ヒトの流れが止まってしまうことは、経済の流れを止めてしまい、結果として株式市場に対してマイナスインパクトを与えてしまうことになるのです。


これは、SARSのときも同様でした。



■「豚インフルエンザ」に関しては、まだまだ情報が少なく、どこまで広がりを見せるか分からないとは言え、短期的には株式市場において、金融問題、企業業績に加えて、“新たな火種”として株価下落要因になる、と考えています。



(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)


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