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金融株は、黒字でも赤字でも増益でも減益でも下がる局面

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【本日のニュース】/モルガン・スタンレー9%安 赤字決算を嫌気
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証券大手モルガン・スタンレーが大幅に反落。前日比2.21ドル(9.0%)安の22.44ドルで終えた。22日朝発表の1―3月期決算は、不動産関連の損失などが響き最終損益が1億7700万ドルの赤字となった。一株損失は0.57ドルと市場予想(0.08ドルの損失)を上回ったうえ、減配を発表したため、売り優勢となった。


前年同期に黒字(税引き前)だった主力の機関投資家部門は2四半期連続の赤字。他の金融機関の1―3月期の業績を押し上げた債券関連の純収入は約13億ドルと、前年同期の半分強にとどまっている。富裕層向け運用部門は赤字だった前の期から黒字に転換したが、黒字幅は前年同期の約8分の1にとどまっている。


一方、モルガンの1―3月期は自社の長期債のクレジットスプレッド(米国債などに対する上乗せ金利)縮小が純収入の15億ドルの押し下げ要因になったという。マック最高経営責任者(CEO)は発表資料で、クレジットスプレッド改善の影響がなければ1―3月期は黒字だったと説明している。


(2009/04/23日経速報ニュースより一部抜粋)


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【ニュースの深層】金融株は、黒字でも赤字でも増益でも減益でも下がる局面
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■いつもメールマガジンをお読みいただきありがとうございます。


経済アナリスト、木下晃伸(きのした・てるのぶ)です。



■株価を説明する際、いろいろな理由があります。


本日のモルガンスタンレー株価は、赤字決算になったことを理由に株価が下落しています。


※Morgan Stanley (Public, NYSE:MS)

http://www.google.com/finance?q=ms



■しかし、直近の金融機関の業績はどうでしょうか。


米大手金融機関6社の1―3月決算が22日までにでそろい、モルガンスタンレーを除く、大手銀ウェルズ・ファーゴなど5社の最終損益が黒字となっています。


でも、株価は?


軒並み決算発表後に下落しています。



■理由は黒字化したにも関わらず、不良債権処理に関するコスト増。


具体的には、将来の焦げ付きに備えた大手銀の貸倒引当金の繰入額は増加しています。


シティ、バンカメなど大手銀4社の貸倒引当金の合計額は368億ドルと、金融危機がピークに達した昨年10―12月と同水準で前年同期から倍増しているのです。


GM、クライスラー問題もあり、投資家心理を冷やしていると言えるでしょう。



■たしかに、先週から来週ぐらいまでは株価は一進一退、場合によっては下落基調になることが予想されます。


短期的に株価上昇にマイナス面が起こる事は、当メールマガジンでもすでに予測していた事。


驚く事ではありません。


むしろ重要なことは、多くの投資家が悲観的になっている上記事実が、実は数ヶ月後には、株価上昇の布石になっているということ。


こうした発想を持てるかどうか、決算数値をしっかりと分析し、将来を予測できるかどうかが、重要であると考えます。



(文責:木下晃伸 きのしたてるのぶ)


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