【投資脳のつくり方】米国人の消費性向、根底から変わった

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【投資脳のつくり方】米国人の消費性向、根底から変わった

2009年1月13日(火)本日お伝えする内容はこちら!


1.【米国】「米国人の消費性向、根底から変わった」


2.【日本】ソニーの09年3月期、1000億円規模の営業赤字に


3.【日本】東証前引け、大幅続落


1.【米国】「米国人の消費性向、根底から変わった」


(出所)2009年1月13日付日経速報ニュース等より



 ●北米消費を考える上で重要な発想とは
 ●デフレの勝ち組ウォルマートが苦戦する理由にもつながる
 ●米国民の消費パターンは根底から変わってしまった


「米国民の消費パターンは根底から変わってしまった。景気が回復しても、
簡単には元に戻らないのではないか」――。世界最大の小売業、米ウォルマ
ート・ストアーズのリー・スコット最高経営責任者(CEO)は12日、ニュ
ーヨークでの講演で、米国ならではの「過剰消費」が節目を迎えているとの
見方を示した。信用収縮と雇用不安が募るなか、米消費者の間で節約と貯蓄
がかつてなく浸透しているためだという。


全米小売業協会が開いた年次総会で述べた。スコット氏は「ぎりぎりのせっ
ぱ詰まった生活にさらされ、若い人たちが外食や映画、買い物を断念するよ
うになっている」と事例を紹介。オバマ次期政権が計画する税還付がいくぶ
ん米消費者の家計を下支えするとの考えを示しつつも、「かつてのように借
金を増やし、消費を謳歌(おうか)する生活にすぐ戻るとは思えない」と強
調した。


消費性向の変化を映し、2008年の米年末商戦は主要小売業の既存店売上高が
前年比2.2%減と過去39年間で最悪の結果に終わったばかり。これを受け、デ
フレの勝ち組と目されたウォルマートも下方修正を余儀なくされ、下方修正
発表後の株価は大きく下落している。

※Wal-Mart Stores, Inc.(Public, NYSE:WMT)

http://finance.google.com/finance?q=wmt 


この発想は非常に重要な意味を持つ。つまり、北米消費に依存していた企業
群は、これから決定的なダメージを受けるということになる。特に大きなイ
ンパクトを受けるのは自動車産業だ。私は、トヨタ自動車は来期赤字幅を拡
大し、その幅は兆円規模になると予想しているが、そのように予想している
向きはまだほとんどない。現実のものとなるとき、トヨタ自動車の株価は
2000円をも割り込む展開となる可能性はある。



2.【日本】ソニーの09年3月期、1000億円規模の営業赤字に


(出所)2009年1月13日付日本経済新聞朝刊1面より



 ●ソニーが二度目の営業赤字転落か
 ●需要減退のみならず、為替、リストラ費用なども影響
 ●今期は株価に織り込まれている。問題は来期業績


世界的な消費低迷でソニーの業績が急速に悪化している。2009年3月期の連
結営業損益(米国会計基準)は昨年10月に予想した2000億円の黒字から一転、
1000億円規模の赤字(前期は4752億円の黒字)になる見通しだ。営業赤字は
1995年3月期以来14年ぶり。金融危機が深刻化した昨秋以降、欧米中心に液晶
テレビなどの販売が落ち込んでいるうえ、円高で採算が悪化している。輸出
企業の業績低迷は自動車から電機に広がってきた。


本業のもうけを示す営業損益の赤字は58年の上場以来2度目。エレクトロニク
ス(電機)部門の不振が主因の赤字は上場来初めてとなる。95年3月期の赤字
は米映画事業の不振で発生した一時的な損失が主因だった。今期の下方修正
は3度目。テレビなどの在庫が積み上がっており、1―3月の在庫処理次第では
赤字幅が2000億円規模に拡大する可能性もある。


昨年10月以降のソニーの想定為替レートは1ドル=100円、1ユーロ=140円。
実際の相場平均の1ドル=95円程度と1ユーロ=125円程度で試算すると、円高
も約1000億円の減益要因となる。ソニー生命保険が保有する有価証券の評価
損も500億円規模で追加発生する。海外工場の閉鎖など構造改善費用も重しに
なる。


昨日の米国ADR市場ではソニーは底堅く推移したが、本日の日本株市場では全
体が大きく下落していることも影響し、8%弱の大幅下落を余儀なくされてい
る。しかし、ここ最近の株価上昇を考えれば、3か月単位で見れば底堅い。ソ
ニーの業績のポイントは、今期ではなく、来季業績改善を果たすかどうかで
ある。



3.【日本】東証前引け、大幅続落


(出所) 各種報道より



 ●昨日の世界的な株安につられ日本株は下落
 ●特に、悪材料が出た企業、産業は売り圧力強い
 ●年明けに株価下落がやってくることは予想の範囲内


13日午前の東京株式市場で日経平均株価が大幅に続落。前引けは前週末比380
円32銭(4.30%)安の8456円48銭だった。休場だった昨日、米株のみならず、
アジア株、原油、金とリスクアセットはほぼ軒並み下落となった。この状況
では日本株も大きな影響を受けざるを得ない。


特に、悪材料が出た企業群には売り圧力が強く出ている。不動産ファンド運
営のクリードが9日、会社更生手続きの開始を申請したことで、不動産業界
の低迷を改めて意識した売りも見られた。特に業種別TOPIX(全33業種)
で「不動産業」は8%を超える下げとなった。


また、13日付日本経済新聞朝刊が2009年3月期の連結営業損益(米国会計基
準)について1000億円規模の赤字になりそうだ、と伝えたソニーは8%弱の下
落、ここ最近好調だった輸出関連も軟調な展開を余儀なくされている。


これら一連の動きの背景には、オバマ次期大統領への期待が、実体経済悪化
にしぼみ始めていると見るべきだ。1月20日の就任までは持つと考えていたが、
株価下落のタイミングがことのほか早く出ている。北米消費の結果が出る1月
は、株価が軟調になると当メールマガジンでも年末からお伝えしてきたよう
に、軟調な展開はしばらく続くと見るべきだろう。


しかし、それは、弱気になるということではない。むしろ、安く買うチャン
スを待っていた投資家にとっては絶好のタイミングがやってきたことになる
と思う。
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