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株価サイクル③(着実な上昇局面)が一旦終了

昨日の米国株式相場は続伸した(DJIA +742.76 @40,954.48, NASADQ +36.77 @18,509.34, S&P500 +35.98 @5,667.20)。ドル円為替レートは157円台後半での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,142に対して、下落銘柄数は453となった。騰落レシオは120.21%。東証プライムの売買代金は4兆4302億円。

TOPIX +11 @2,915
日経平均 -177円 @41,098円

米国では、米小売り売り下高が予想以上に強い結果となり、米国経済のソフトランディング期待が高まった。先行して大きく上げていたハイテク株は利益確定売りに抑えられたが、景気敏感株は大きく上昇した。米10年債利回りは前日の4.229%から4.160%へ低下した。ダウ工業株30種平均は5日連騰して史上最高値を更新した。ハイテク株が多いナスダックも3日続伸した。

本日の東京市場では、米経済のソフトランディング期待の高まりを背景とした米国株高の流れを受けて、日経平均は続伸して始まった。しかし、上値では利益確定売りが多く、買い一巡後は下げに転じた。値がさハイテク株の半導体関連銘柄が大きく売り込まれたが、理由があった。バイデン政権が、東京レクトロンやオランダの半導体製造装置大手のASMLホールディングなどの企業が先端半導体技術へアクセスを中国に提供し続けるなら、最も厳しい貿易制限措置を適用すると同盟国に伝えたことが背景にある。そのため、東京エレクトロンは一時8%を超す急落となり、アドバンテスト、スクリン、レーザーテクなどの値がさ半導体株も軒並み安となった。東京エレクトロンの一銘柄だけで日経平均を263円押し下げた。他方、トランプ前大統領が返り咲くと建設需要が高まるのと見立てから「トランプ・トレード」銘柄としてコマツ、日立建機、住友重機など建設機械関連銘柄が上昇した。

外為市場では、さらなる円買い・ドル売り介入を警戒している。変動相場制を採用する国では、介入は「半年で3回」、「1回の介入は3営業日以内」という介入ルールをかつて国際通貨基金(IMF)が示したが、今年の日本の為替介入(4月29日、5月1日、7月11~12日)はこのルールに沿っている。ということは10月下旬までにもう1回、3営業日連続の介入がありうる。7月17日の外為市場では一時、1ドル=156円台前半まで円高・ドル安に振れた。これは12日の介入時に付けた157円30銭台を上回る円高・ドル安水準であった。さらに、トランプ前大統領は米ブルームバーグ・ビジネスウィークのインタビューにおいて、円安と人民元安を容認せず、ドル高を是正する意向を示した。これで円売り・ドル買いがやり難くくなった。

日経平均の日足チャートを見ると、朝高後は下げて陰線で終えた。これで4日連続陰線となり、上げようとしても売りに押し返される日が続いており、基調は弱いと判断される。今日は上向きの10日移動平均線を僅かだか割り込んだので、が6月25日から始まった株価サイクル③(=着実な上昇局面)が一旦終了した。

33業種中27業種が上げた。上昇率トップ5は、繊維製品(1位)、不動産(2位)、建設(3位)、精密機器(4位)、パルプ・紙(5位)となった。

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