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円買い市場介入、アイランド・リバーサルの示現・・・

昨日の米国株はナスダックが大幅反落した(DJIA +32.39 @39,753.75, NASDAQ -364.04 @18,283.41, S&P500 -49.37 @5,584.54)。ドル円為替レートは158円後半から159円台前半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は上げる銘柄の方が多かったのだが、株価指数は大幅反落した。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,020に対して、下落銘柄数は573となった。騰落レシオは119.32%。東証プライムの売買代金は5兆2369億円。

TOPIX -35 @2,895
日経平均 -1,033円 @41,191円

米国では、米6月消費者物価指数(CPI)が予想以上に伸びが鈍化した。前月比-0.1%(<予想+0.1%)、前年同期比+3.0(<前年+3.3%、予想+3.1%)。これにより利下げ期待が高まり、もはや「予想」からほぼ「確信」に変わったと言える。米10年債利回りは前日の4.280%から4.212%へ低下した。金利低下の恩恵を受ける銘柄(不動産、住宅関連企業など)が上げたが、年初から大きく上昇し続けて来たハイテク株が利益確定売りに押されて大きく反落した。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3%強の下げとなった。

本日の東京市場では、米国でのハイテク株の大幅安を受けて、東京エレクトロンやアドバンテストなど半導体関連株を中心に利益確定売りが優勢となった。連日で史上最高値を更新し、高値警戒感が高まっていたところへ米国でのハイテク株安が起り、さらに急激な円高・円安方向への揺り戻し(7月16日の当座勘定残高の見通しからニューヨーク連銀が日銀の委託により3~4兆円規模の委託介入したと推察)も重なり、日経平均は急落した。1日の下げ幅は今年4月19日の1,011円を超えて1,033円安となり、今年最大の下げ幅となった。ただ、全面安とは程遠く、約6割の銘柄(主に内需株)は上昇したことに留意する必要がある。金利上昇期待で上げていた保険株や銀行株は売られた。米利下げ観測が高まってきたので、日銀は円安防止を意識して利上げを急ぐ必要性が低下したとの見立てからである。

久しぶりに政府・日銀が外為市場で市場介入したと推察される。「財政等要因」による減少額が介入がないと仮定した場合に比べて口座残高の減少予定額が3~4兆円多いことから介入に使った資金量がほぼ分かる。EU(欧州連合)の場合、為替の市場介入をする場合、その判断も実施も欧州中央銀行(ECB)が行うが、日本の場合、市場介入の判断は政府・財務省(より具体的には財務官)に権限と責任があり、実務は日銀が代行して行う。実務を代行する日銀が市場から円買い・ドル売り介入を実施すると、市中銀行の日銀勘定からその分だけ資金が引き落とされ、政府の日銀勘定(国庫)へ移し替わるため、民間金融機関の残高は減少する。但し、外為市場での直物売買の決済は2営業日後なので、実際にお金が動くのは、7月11日に介入したとすれば連休明けの16日に残高の変化があるはず。

市場介入のタイミングは絶妙だった。米CPIが発表されたがその内容は利下げを正当化するような物価上昇の鈍化を示すものだったため、米長期金利は低下し、何もしなくても円高・ドル安の方へ動いたはずだが、そのタイミングを見計らって市場介入して円買い・ドル売りを加速したと見られる。但し、実際に米国の立会時間中に介入したのは日銀の委託を受けたニューヨーク連銀だったはず。また、日銀が民間金融機関に対して円とユーロを交換する際の取引条件についての照会、つまり、ユーロの「レート・チェック」が行われた。「レート・チェック」は市場介入する前の準備とされ、対ドルだけでなく、対ユーロでも市場介入する姿勢が示された。1991年以降で円買い介入をした通貨はドルのみであり、もし、ユーロでも円買い介入をすれば史上初となる。ただ、円買い・外貨売りの市場介入は外貨準備残高以内(全部使い切るのはありえない)という誰の目にも明らかな物理的制約があり、短期的な効果しか期待できないということは「外国為替」を履修したなら大学生でも分かる。当然、財務省のエリート官僚も十分理解しているが、何もしないことのリスクを考慮しての行動だろう。

日経平均の日足チャートを見ると、大きくギャップアップして始まり、さらに下げて大陰線で終えた。これで昨日の短陰線は空中に浮いた「島」のようになり、天井を打ったことを暗示する「アイランド・リバーサル」が示現した。ただ、単純平均株価と言う計算上、日経平均に与える影響が大きいハイテク値嵩株が下げたのであって、東証プライムの全銘柄の内、1,020銘柄は上昇したのに対して、ハイテク値嵩株中心とした573銘柄が下落したに過ぎない。つまり、日本株の全面安ではない。来週は本日の急落の反動で反発するのではないだろうか。

33業種中24業種が下げた。下落率トップ5は、保険(1位)、電気機器(2位)、海運(3位)、非鉄金属(4位)、銀行(5位)となった。

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