TOPIX -+16 @2,803
日経平均 +494円 @39,667円
米国では、ダウ工業株30種平均は下落したが、直前の3日間累計で約13%下げていたエヌビディアが大幅(6%強)反発したことでハイテク株全般に買いが波及して、ナスダックが反発した。その結果、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が1.79%上昇して、4日ぶりに反発した。
米国でハイテク株が反発したことを好感して、本日の東京市場でも東京エレクトロンやアドバンテストなどの値がさ半導体関連銘柄が上げ、この2銘柄だけで日経平均を約220円押し上げ、日経平均の上げ幅は一時600円を超えた。他方、前日まで目立って上げていたトヨタ自動車や日本製鉄などの時価総額が大きいバリュー株は売り優勢となり下げた。バリュー株とグロース株が交互に入れ替わって上げており、良いリズムではないだろうか。
特にこれと言った材料が出た訳ではない。日経平均は急速に上方向に動き始めたが、さらに上げるとマーケットは意識・見方を変えたようである。その結果、本日6月26日のオプション市場では7月物の権利行使価格4万円のコール(=アウト・オブ・ザ・マーケットOTMのコールオプション)のオプション価格が一時405円、前日比2倍以上まで駆け上がった。軟調な相場展開を予想してコールを売っていた売り方が慌てて買い戻したと推測できる。さらに、買い戻さなかった売り手は買い方が権利行使すること備えて日経平均先物を買い増してデルタヘッジのヘッジ比率を高めたことも容易に想像できる。その結果が日経平均のさらなる上昇となった。また、相場は保ち合っていたレンジを上抜けするとトレンドフォローで買い増す戦術を得意とする投資顧問(CTA)などの買いが入るため、暫くはさらにトレンドが加速する。
ただ、仮需の変化にも気を付ける必要がある。6月21日時点の信用買い残高は4兆9117億円まで積み上がり、206年6月以来18年ぶりの高水準となった。他方、信用売り残は僅か7617億円に留まり、市場全体の信用倍率は6倍を超えている。この倍数が高ければ高いほど信用買い残が相対的に多いことを示し、相場全体が重くなるだけでなく、何かのきっかけで下げ始めるとその後の調整が長く深くなる。
日米両国の金融政策の変化と欧州、特にフランスの政治不安も株価に影響を与えるので、要注意である。
日銀は7月の金融政策決定会合で利上げと国債買い入れの減額を実施する可能性が高いとマーケットは警戒している。そのため、本日の国内債券市場では新発10年物国債の利回りが、一時前日比0.0035%高い1.030%と、6月11日以来約2週間ぶりの高水準となった。このブログでも過去に何度か説明しているように、長期金利の上昇は株価全体にとっては下げ圧力となるが、ビジネスモデル上、銀行株と保険株にはプラスの力の方が大きくなる。
6月26日の外為市場で、円相場が一時1ドル=160円39銭まで円安・ドル高となり、政府・日銀が再び市場介入するのではないかとマーケットは身構えているはずだ。日米の金利差が縮小しないなら、まだ暫くは円キャリー・トレードは続き、円安・ドル高は続きそうである。
日経平均の日足チャートを見ると、5月初旬から続いていたレンジ相場を5月20日のザラバ高値@39,437円も超えて完全に上抜けた。
33業種中22業種が上げた。上昇率トップ5は、電気機器(1位)、サービス(2位)、精密機器(3位)、医薬品(4位)、証券(5位)となった。