TOPIX -6 @2,777
日経平均 +97円 @39,135円
米国では、週内に米5月消費者物価指数(CPI)や米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控えているため投資家の間では様子見ムードが強かったが、個別材料がありエヌビディアなどハイテク株の一角が上げると相場全体も小高くなった。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)も上げた。
本日の東京市場では、前日の米国でのハイテク株の上昇を好感して東京エレクトロンやアドバンテストなどの半導体関連銘柄の一角が上げた。この2銘柄だけで本日の日経平均の上昇のほぼすべてが説明できてしまう。先物・オプション6月物の特別清算指数(SQ)算出を巡り海外短期筋が買い仕掛けをして日経平均は前場で300円近く上昇した。6月物コール・オプションの権利行使価格@4万円の建玉が11,719枚もあるところに目を付けて、コールの売り方が損失を避けるべくデルタヘッジのため先物で買増す(=株価はさらに上昇)ように追い込もうとしたと推察できる。しかし、日米両国とも中央銀行の金融政策を巡って重要なイベントを控えているため上値追いはなかった。米国では利下げがいつになるか、日本では緩和政策の修正がどのような方法でどの程度、いつ行われるかが焦点となる。海運株は前場では上昇したが、後場になると急落した。
中長期的に、日本株を支える好材料が浮上して来た。米欧の買収ファンドの動きである。米ベインキャピタルは今後5年間で5兆円、米ブラックストーンは不動産投資も含めて3年間で1兆500億円の投資をすると発表した。日本企業のガバナンスが改革されつつあり、株主還元策も強化されている。資本コストを意識した経営も拡大している。これはすべては海外投資家にとっては好ましいことである。
日経平均の日足チャートを見ると、続伸して5月20日高値@39,437円に迫る39,336円までザラバ高値では上げた。もう少しで上抜けることができ、4万円を超えるとコール・オプションの売り方が買い方による権利行使に備えて(=コールの買い方が権利行使により「買う」ということは、コールの売り方は「売らされる」ことを意味する)先物を買わざるを得ない。これがさらなる株価上昇に繋がる。勿論、それを打ち消すような悪材料が飛び出して来なければの話ではあるが。
33業種中23業種が下げた。下落率トップ5は、海運(1位)、証券(2位)、空運(3位)、倉庫・運輸(4位)、陸運(5位)となった。