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「アイランド・リバーサル」に用心

昨日の米国株式相場は小幅反発した(DJIA +83.51 @35,416.98, NASDAQ +40.73 @14,281.76, S&P500 +4.46 @4,554.89)。ドル円為替レートは147円台前半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄が多かった。東証プライムでは、上昇銘柄数が565に対して、下落銘柄数は1,046となった。騰落レシオは120.82%。東証プライムの売買代金は3兆5441億円。

TOPIX -12 @2,365
日経平均 -87円 @33,321円

米国では、タカ派のウォーラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事が28日の講演で、経済を減速させ物価をインフレ目標の水準まで引き下げるために現在の金融政策が適切な状態にあるとの確信を深めつつあるとの認識を示した。さらに、インフレ率が一段と低下すれば利下げを始められるとまで踏み込んだ発言をした。この発言を受けて、米長期金利(10年債利回り)は4.32%台へ低下し、主力株の一部は買われた。しかし、ボウマン理事は同じ28日の講演で、今後の物価動向次第では利上げを支持する姿勢を示し、FRB内で意見の相違があることを浮き彫りにした。さらに、12月1日にはパウエルFRB議長が講演する予定であり、売り買い共に慎重だった。過度に進み過ぎたとみられる利下げ期待をパウエル議長が牽制する発言をするのではないかとマーケットは警戒しているようである。

本日の東京市場では、米国の長期金利の低下を反映して円高・ドル安が進行したことを背景に幅広い銘柄が売られた。日経平均は半導体や電子株の一角が買われて、上げ幅が100円を超える場面もあった。しかし、その後は下げて、下げ幅は一時200円を超えたが、売りが一巡すると押し目買いが入って下げ幅を縮小した。米国の景気後退入りを懸念して、鉄鋼や海運などの景気敏感株の売りが優勢となった。また、日米の長期金利の低下により利ザヤが縮小するとの見方から銀行株も売られた。

日経平均の日足チャートを見ると、11月24日から3連続陰線でじりじりと下げた後、今日も下げたが上下にひげを引いた短陽線で終え、上向きの10日移動平均線を割り込んだ。それでも11月15日以来の島(アイランド)の中での上下動である。バブル崩壊後の高値を明確に終値ベースで更新するのを手こずっている。アイランドを下放れする「アイランド・リバーサル」に用心しておきたい。

33業種中29業種が下げた。鉄鋼(1位)、銀行(2位)、海運(3位)、保険(4位)、鉱業(5位)となった。

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