【投資脳のつくり方】金融恐慌が雇用不安を増幅

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【投資脳のつくり方】金融恐慌が雇用不安を増幅

■いつもお読みいただき、ありがとうございます。

経済アナリスト、木下晃伸(きのしたてるのぶ)です。

■17日前場の日経平均株価は前日比91円14銭高の8659円16銭と
反発。昨日のFRBによる政策金利の引き下げを背景にした16日の米株高を好感
した買いが先行しました。

ただ、円高懸念による輸出関連など主力株が重しとなり、一時173円高の
8741円まで値を回復した平均株価も伸びが縮小しています。

特に、トヨタ自動車、ソニーなどが下落に転じていることが投資家心理を悪化
させています。


■株価は小康状態を保っていますが、これからどうなるのか。

本日は、日本にとどまらず、米国、中国の話題も取り上げ将来を見通したい
と思います。

本日もどうぞよろしくお願いいたします。 

●それでは、雑誌「マネージャパン」ホームページに平日毎日連載している
「経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース」をご覧下さい。

┏━ 【経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース】 ━━━━━┓

2008年12月17日(水)本日お伝えする内容はこちら!

1.【日本】金融恐慌が雇用不安を増幅

2.【米国】ゴールドマン1900億円赤字、上場来初

3.【中国】中小企業の資金繰り悪化、融資獲得は4割以下

http://www.terunobu-kinoshita.com/20081217-toushinou.pdf

 
( 資料作成:木下 晃伸 きのした てるのぶ )

1.【日本】金融恐慌が雇用不安を増幅

(出所)2008年12月17日付日本経済新聞朝刊3面より

 ●雇用不安が増大
 ●リストラモードの影響は来期に大きく現れる
 ●ポイントは来期の“当期純利益”

日本経団連は16日、2009年の春季労使交渉での経営側指針となる「経営労働
政策委員会報告」を発表した。

11月上旬にできあがった第二次案では、序文に「雇用動向の急激な悪化も
見込まれる中で経営者は長期雇用を大切にしていく姿勢を堅持する」と記述。
「雇用安定を最優先に話し合うことが求められる」と「雇用確保」に重点を
置いた。ところがわずか1カ月後に再修正を余儀なくされる。11月から自動
車、電機などの減産に伴い非正規社員を中心に雇用削減が加速、「雇用安定
を最優先」とも言い切れなくなったのだ。今回発表になった方針では結局
「雇用安定に努力」という表現に後退した。

大分キヤノンの問題や、日本綜合地所等の内定取り消し等、具体例を見るまでも
ない。もうすでに多くの企業はリストラモードに突入し、雇用削減に手を染め
始めている。これは取材でも確認できることだ。

そうなると、各企業の来期業績はどうなるか。ポイントは、“当期純利益”
となるだろう。営業損益が仮に回復するとしても、当期純利益が、特別損失
の計上などにより減益となるのであれば株価上昇は苦しいだろう。これは、
2003年3月期決算で経験したことだ。

企業の経営戦略と共に、利益インパクトを考える必要がある。いくら株価水準が
割安でも、来期業績の見通しが悪化するようであれば、投資タイミングは先、
と考えるべきだろう。


2.【米国】ゴールドマン1900億円赤字、上場来初

(出所)2008年12月17日付日本経済新聞朝刊9面より

 ●ゴールドマン・サックスも赤字に転落
 ●株価は悪材料出尽くしで大幅高
 ●金融恐慌は終局局面を迎えつつある

米金融大手ゴールドマン・サックスが16日発表した9―11月期決算は、投資資産の
値下がりによる損失が響き、最終損益が21億2100万ドル(約1900億円)の赤字に
なった。ゴールドマンの赤字決算は1999年の上場以来初。

ゴールドマンは自己資金を使った投資の一環で、企業の未公開株や低格付けローン、
不動産関連ローンなどを保有している。これらの資産は市場での流通価格が急落して
おり、損失計上を迫られた。

ゴールドマンは信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)関連の損失を
少額に抑えたことで、米大手投資銀では最後まで黒字を続けた。だが、金融危機と
世界的な景気後退が不動産、株式、商品など幅広い資産価格の下落につながる中では、損失拡大を避けられなかった。

しかし、株価は悪材料出尽くしとばかりに大幅高となった。連邦準備理事会
(FRB)による実質的なゼロ金利政策発表もあり、剥落した“信用”が全世界的に
戻りつつあるためだ。

●Goldman Sachs Group, Inc. (Public, NYSE:GS)

http://finance.google.com/finance?q=gs

世界を揺るがせた金融恐慌は、終局局面を迎えつつある。さらなる悪化を懸念する
声は、これからも続くと考えられるが、今年秋頃に経験した、暴力的な株価暴落の
懸念は去ったと考えている。


3.【中国】中小企業の資金繰り悪化、融資獲得は4割以下

(出所)2008年12月17日付NNAニュースより

 ●中国の環境悪化は中小企業に波及
 ●貸し渋りは“悪”か?
 ●退出する企業が出る事は、長い目で見れば悪い事ではない

広東省経済貿易委員会中小企業局が実施した調査で、同省の中小企業で申請後に
実際に融資を獲得した企業が、全体の39.1%にとどまっている実態が明らかに
なった。政府による融資支援策が相次いで打ち出されるなか、依然として資金繰り
に悩む企業の実体が改めて浮き彫りになっている。

調査は、同省の成長の著しい中小企業上位500社のうち345社を中心に実施された。
内訳は66.4%が珠江デルタ地域、16.5%が省東部、14.2%が省西部、2.9%が
省北部の企業。このうち65.2%が「融資獲得が非常に困難」と回答し、「困難」
と合わせると、全体の9割近い88.7%が困難と感じていることが分かった。

融資が受けられない要因としては◇銀行の貸し渋り◇企業力不足で、信用度が低く
担保などを提供できない◇省内企業の上場が遅れている◇政府の財政投入が少ない
-などが指摘されている。また銀行からの融資獲得する際の最も重要な要素として、
29.3%が「担保」、28.7%が「黒字計上であること」、25.5%が「企業の信用」
と答えた。

では、このニュース、悪い事か?一見すると悪いニュースも、私には中国へ
の投資に対して強気となれる内容ではないか、と考えている。というのも、
中国の金融機関は、国家の財布。本来であれば、国家が融資を拡大させるの
であれば無尽蔵に貸しても良さそうなものだ。それを拒み、利益を追求し、
不良債権の発生を抑えようとする姿勢は、“健全な姿”であると言える。

中国の金融機関は、世界的にみても不良債権の重しは軽い。そのことを考えれば、
融資を無尽蔵に増やし不良債権が増えてしまうより、資金繰りに悩む企業が退出
する事態を経験したほうが経済をよほど強くすると考える。

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■編集後記
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東京はあいにくの雨ですが、今日も取材があります。
日々取材を繰り返し、少しでも精度の高い予測を行なっていきたいと思います。

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