堅実さんのブログ
「ふりさけ見れば」 5年3月2日(水) 13時51分
「ふりさけ見れば」を、完読しました。日経新聞連載で、全567回です。思いますれば、こつこつやることが、結果として一番よい結果を残すことです。最後まで、よく見たもんだと思います。これ以外に、日経新聞の連載小説は、5つか6つ読破している。
作者は、安倍龍太郎です。この物語は、古事記、日本書記の正当性を示すために、唐の玄宗皇帝が大切に保管している、唐の書物、それは三国時代の書物であるが「魏略第38巻」を求めて、唐に遣唐使として渡り、それを手に入れる物語です。唐は、古事記、日本書記を、唐側に沿ったものでないと認めない。それが、「魏略第38巻」である。
そのために数人が、自らの人生を捨て、玄宗皇帝に近づき、苦労する物語です。
井真成は、若くして、この書物を守る影の軍団により殺される。弁正は、そのために、去勢して宦官となる。そして、一度は書物を見るが、それを、書庫から、取り出すことができない。固く守られているのである。
中心人物は、唐に渡り、そのまま、日本に帰国できなかった、阿倍仲麻呂と、真備の2人である。
安禄山の反乱により、長安を去る途中で、偶然にして、阿倍仲麻呂は、「魏略第38巻」を、発見する。それを真備に託して、日本に持ち帰るように頼む。真備は、それを公仁天皇に献上し、真備町に隠棲する。気が向いた時には、小田川ぞいの大きな岩に座って、琴を弾いた。波乱の人生を振り返りながら、思いに、ふけったのであろう。真備は81歳で他界した。
岡山県倉敷市真備町では、毎年、秋の名月の頃に「吉備真備公琴弾き祭り」が、もようされる。真備が琴を弾いていた岩は、「琴引き岩」として名付けられる。そこで、琴の演奏が、行われる。
そして、皇室の菩提寺である京都の「泉涌寺」には、今も楊貴妃観音が、まつられている。
思うのは、国家のために、命を懸けて、生きた人達である。今の日本には、このような人はいない。政治屋は、国家は2の次で、私利私欲の塊である。
-
タグ:
>気が向いた時には、小田川ぞいの大きな岩に座って、琴を弾いた。波乱の人生を振り返りながら、思いに、ふけったのであろう。真備は81歳で他界した。
吉備真備は藤原恵美押勝の乱を孝謙天皇の命令で、鎮圧の指揮を振るったのは70歳位だった筈で、その後10年以上も長生きしたとは!?平安時代では長寿どころではありません!
私などは現代の人間でもそんなにも生きることは出来ないでしょうね~!
「吉備真備は藤原恵美押勝の乱を孝謙天皇の命令で、鎮圧の指揮を振るったのは70歳位だった筈で、その後10年以上も長生きしたとは!?平安時代では長寿どころではありません!
私などは現代の人間でもそんなにも生きることは出来ないでしょうね~! 」
これは、歴史小説なので、場合によると、いないはずの人が出てくる場合があります。心に残るのは、弁正です。去勢してまで、魏略第38巻を求め、日本に帰る途中で、闇の書物を守る軍団に殺されたことです。
故国の為に、命を使い切った男です。今の日本の政治屋に、このような人は、おりません。私利私欲の塊ばかりです。
「吉備真備は藤原恵美押勝の乱を孝謙天皇の命令で、鎮圧の指揮を振るったのは70歳位だった筈で、」これは、小説の中にも、出てまいりました。その後、右大臣となり、職を去ります。81歳は長寿だったですね。