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10日移動平均線を回復:暫くは戻りを試すか

昨日の米国株式相場は反発した(DJIA -194.23 @30,677.36, NASDAQ -179.11 @11,232.19, S&P500 +35.84 @3,795.73)。ドル円為替レートは134円台後半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は上げた。東証プライムでは、上昇銘柄数が1,336に対して、下落銘柄数は446となった。騰落レシオは97.61%。東証プライムの売買代金は2兆9584億円。

TOPIX +15 @1,867
日経平均 +321円 @26,492円

米国株式相場は反発した。特にハイテク成長株が多いナスダックは1.6%上昇した。これを受けて、本日の日本株全般も上げたが、特に半導体株や成長株が上げた。東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、エムスリーの3銘柄だけで日経平均を100円超押し上げた。ただ、米国の金融引き締め政策に対する警戒感は強く、外為相場では円高方向への揺り戻しもあり、自動車株などの景気敏感株は売られた。上海総合指数も米株価指数先物も堅調だったことが日本株を支えた。

現在、世界の株価が大きく調整している最大の原因は米国の金融引き締め政策である。しかし、金融引き締め政策はその性質上そう長くは続かない。今はインフレ退治を最優先に掲げて利上げに加えて量的引き締め(QT)も本格化しつつあるが、その代償としてある程度の景気後退は避けられない。金利先物はその見通しを反映して価格が形成されている。政策金利は現在1.5~1.75%であるが、2023年前半には3.5~3.75%まで高まることが織り込まれている。しかし、2023年後半になると3.25~3.5%へ低下すると予想していることになる。

この金利先物価格に織り込まれている金利見通しが正しければ、日本株も目先ある程度戻ったとしても直近高値を更新することはなく、ある程度戻った後また調整し、2023年夏ごろまで徐々に戻り高値を切り下げていくというシナリオが描ける。その結果、何が明確になってくるかというと、既に下向きになっている260日移動平均線の傾きが更に下向きになるということである。それが何を意味するかと言うと、反発しても直近の高値を超えられず戻り高値を更新できずにまた失速することを繰り返す相場が続きそうということである。ただし、これはあくまでも経験則であり、必ずそうなるわけではない。それでも経験則を無視して行動すると痛い目に遭うことが多い。

日経平均の日足チャートを見ると、6月10日以来初めて10日移動平均線の上に浮上してきた。まだ同移動平均線は下向きなので信頼性は微妙だが、これで当面の直近底値を確認したことになる。昨年9月14日を起点とした下降チャネルの下限まで下げずに下げ止まった。6月9日からの下げ幅の半値くらいは戻すか?

33業種中23業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、化学(2位)、サービス(3位)、ガラス・土石(4位)、電気機器(5位)となった。

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