進行中の2022年3月期については、現時点では売上高68,000百万円(前期比13.6%増)、営業利益660百万円(前期は493百万円の損失)、経常利益710百万円(同261百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失870百万円(同367百万円の損失)が予想されており、期初予想(営業利益580百万円)からは上方修正されている。引き続きコロナ禍の影響が不透明であるが、自動車向けの回復、「STREAL」の伸びなどから増収、営業利益確保を予想している。下半期の売上高計画(361億円)に対して、10月末時点で主要製品の受注残が4~5ヶ月となっていることから、この予想が達成される可能性は高いだろう。また自社開発品として期待される「STREAL」は用途が広がりつつあることから2022年3月期も2,800百万円(前期比83%増)が見込まれている。経営基盤強化施策推進による構造改革費用を特別損失に計上することにより最終損益は赤字となる見込みだが、年間配当12円は維持する方針である。
製品別売上高は、集積回路が42,980百万円(前期比9.3%増)、半導体素子が10,319百万円(同3.5%増)、表示デバイスが1,773百万円(同25.2%増)、一般電子部品が12,946百万円(同41.4%増)、海外拠点の売上高は16,542百万円(同25.7%増)と予想されている。なお注力商品である「STREAL」の売上高は2,800百万円(同83.0%増)を目指している。
売上総利益率は、増収に加えて「STREAL」がさらに伸びる予想であることから10.7%(前期比1.4ptアップ)を見込んでいる。販管費は通常の営業環境に戻る見込みであることから前期比10.2%増の6,694百万円が予想されている。その結果、営業利益は660百万円の予想である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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