3. 財務状況と経営指標
2023年3月期第2四半期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比561百万円減少の42,925百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が750百万円減少した一方で、売上債権が708百万円、棚卸資産が395百万円それぞれ増加した。固定資産ではソフトウェア資産(仮勘定含む)が186百万円増加した一方で、投資有価証券が1,376百万円減少した。
負債合計は前期末比583百万円減少の20,273百万円となった。有利子負債が235百万円、賞与引当金が249百万円それぞれ減少した。純資産合計は同21百万円増加の22,652百万円となった。配当金支払額1,343百万円があったほか、その他有価証券評価差額金が577百万円減少したが、親会社株主に帰属する四半期純利益1,935百万円の計上により若干増加した。
経営指標を見ると、有利子負債の減少により有利子負債比率が前期末の7.1%から6.1%に低下したほか、自己資本比率も51.0%から51.7%に上昇するなど財務基盤の強化が進んだ。ネットキャッシュも前期末比514百万円減の15,139百万円と減少したものの潤沢な状況であることに変わりなく、財務の健全性は高いと判断される。なお、同社は2023年満期のユーロ円建転換社債型新株予約権付社債110億円を発行しており、その転換価額は3,022.4円となっている。株価が満期日までに転換価額を上回らなければ110億円を償還することになるが、新たな資金調達を行わない場合は負債が減少し、自己資本比率が上昇することになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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