2007/10/13 00:34
◇ニトリ、低価格のシステムキッチンを自社開発
　家具・インテリア専門店最大手のニトリは住宅のリフォーム市場に参入する。家具で培った低価格品生産のノウハウを生かし、メーカーから部材を直接仕入れ、価格を標準的な製品の4分の1以下に抑えたシステムキッチンを自社開発。全国の家具店舗網をリフォームの営業に利用し、低価格を売り物に台所のリフォーム需要を取り込む狙いだ。
　システムキッチンの販売は13日から関東地区で始める。新横浜店（横浜市）、南町田店（東京都町田市）、柏店（千葉県柏市）など8店で売り出す。施工はＫＮＤコーポレーション（埼玉県戸田市）に委託する。来年をメドに、大型家具を扱う関東地区の約45店に広げる。
　キッチンの調理器具はＩＨ（電磁誘導加熱）ヒーターとガスコンロの2タイプをそろえた。本体価格は19万9000円と29万9000円の2種類。ニトリによると現在、ＩＨヒーターを搭載した同機能の標準的なシステムキッチンの本体価格は平均で100万円超という。代理店などを通さないメーカーからの直接仕入れ、中国の工場を活用した加工費の削減などで、低価格化を実現した。
　ニトリは全国で約160店を運営し、家具・インテリア販売店チェーンでは国内最大。インドネシアや中国に自前の工場や物流拠点を持ち、販売する商品の大半を自社で開発している。低価格を武器に成長を続け、2007年8月中間期の連結経常利益は前年同期比18％増の128億円と最高益を更新した。
　システムキッチンを新たに取り扱うことで、リフォームに伴う食器棚やテーブルなど台所関連商品の販売増につなげる。施工やアフターサービスの体制が整い次第、他の地域に広げていく方針。
　矢野経済研究所（東京・中野）によると、増改築工事や修繕費を含めた住宅リフォームの市場規模は06年で推定6兆7000億円。高齢者人口の増加などに伴い、10年には7兆4000億円まで拡大する見通し。