2. 財務状況と経営指標
2021年9月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比753百万円増加の26,790百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では現金及び預金が768百万円増加し、固定資産では減価償却の進展により有形固定資産が80百万円減少し、新スクールの開設に関連して差入保証金が67百万円増加した。2021年9月期における設備投資額は433百万円で、このうち新規スクール3校の開設で80百万円、校舎移転3校の内装工事で149百万円、5校の増床に伴う内装工事で106百万円となっている。
負債合計は前期末比1,060百万円減少の3,916百万円となった。収益増に伴い未払法人税等が621百万円、未払消費税等が124百万円それぞれ増加した一方で、有利子負債が1,871百万円減少した。前期にコロナ禍の影響長期化に備えて調達した3,050百万円の借入金の一部を返済した。また、純資産は配当金支払いで660百万円の支出があったものの、当期純利益2,471百万円を計上したことにより、前期末比1,813百万円増加の22,874百万円となった。
経営指標を見ると、自己資本比率は有利子負債の減少及び純資産の増加によって前期末の80.9%から85.4%に上昇した。今後もコロナ禍の影響を見極めながら有利子負債については徐々に返済していく予定にしており、財務の健全性については良好な状態が続くものと見られる。また、同社の資産状況を見ると、固定資産比率が66.5%と高いことが特徴となっている。これは、生徒たちの学習環境をより良いものにするためには、地域によっては賃借するよりも自社物件化した方が合理的であるとの判断のもと、条件にかなう不動産物件があれば購入して校舎を建設してきたためだ。今後も基本的な方針に変わりはないものの、新規開拓エリアと位置付けている横浜市や川崎市では土地代も含めたコストが高く投資負担が重くなるため、賃借物件の比率が増えていくものと予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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