＜話題の焦点＞＝保管付き宅配クリーニング、認知度アップで利用広がる

　６月８日、東海地方と関東甲信越地方で梅雨入りの発表があった。この時期、既に衣替えを済ませた人も多いと思うが、悩ましいのが厚手の冬物衣料の収納だろう。そうしたなか注目されているのが、クリーニングに出すついでに、次のシーズンまで保管してくれるサービスだ。

　こうした、いわゆるクリーニングの保管サービスは、５０年ほど前から一部の企業が手掛けてきたものだったが、インターネットの普及を背景とした宅配サービスと結びつくことで近年、利用が拡大している。特に最近では、テレビＣＭなどでＰＲされるようになったことで認知度が高まり、３０～４０代の仕事を持つ女性を中心に利用が広がっているという。

　ただ、一方で宅配クリーニングに関する苦情も増えている。国民生活センターによると、クリーニング全体の相談件数は０９年度の７６４５減少し、１４年度は４８８０件（１５年１月末まで）となったが、一方でネット型宅配クリーニングの相談は、１７件から１５６件と急増している。全国クリーニング生活衛生同業組合連合会は先月、業界内で定めるクリーニング事故の賠償基準を約１６年ぶりに改定した。過失の推定では、配送や保管中の事故についてもクリーニングを契約した業者が賠償の義務を負うことになる。実際の利用に際しては注意が必要なようだ。

◆主な宅配クリーニング関連銘柄

　銘柄<コード>　　　　　　主な取り組み

ＴＯＫＡＩＨＤ<3167.T>　グループで保管付き宅配クリーニングサービス「家事玄人」を展開
フェリシモ<3396.T>　　　家事サポートサービス「カジサポ」でクリーニングと長期保管を実施
千趣会<8165.T>　　　　　通販ブランド「ベルメゾン」で宅配クリーニングを展開。保管サービスも
イオン<8267.T>　　　　　グループが運営する家事代行サービス「カジタク」で保管付き宅配クリーニングを展開
白洋舎<9731.T>　　　　　宅配クリーニングと保管がセットになった「安心クローク」を展開
セコム<9735.T>　　　　　グループで「ふとんの丸洗いクリーニング」「９カ月保管付き衣類クリーニング」を展開


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）