■株式見通し:不安定ななかで決算を手掛かりとした日替わり物色
■ソフトバンクG、21/3最高益4兆9879億円、ファンドの運用成績が大幅に改善
■前場の注目材料:アドバネクス、米に医療用バネ新工場、生産再編、加州拠点は売却
■不安定ななかで決算を手掛かりとした日替わり物色
13日の日本株市場は、引き続き不安定な相場展開のなか、売り一巡後の底堅さを見極めることになりそうだ。12日の米国市場ではNYダウが681ドル安だった。予想を上回った4月の消費者物価指数(CPI)を受けて、長期金利が5週間ぶり高水準に達したため、インフレ上昇への警戒が高まり、売りが加速し引けにかけて下げ幅を拡大した。ハイテク株ではキャピタルゲイン増税を警戒した利益確定売りにも拍車がかかっている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比395円安の27745円。円相場は1ドル109円60銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする形からギャップスタートとなり、先物主導によるインデックス売買による影響を受けやすくなるため、指数インパクトの大きい値がさ株のインパクトが本日も大きくなりそうである。また、VIX指数は高いところで28を超えてきており、リスクオフムードも高まりやすいところ。決算発表がピークを迎えている状況のなかで押し目買いを意識した動きも強まりづらく、インデックス売買に振らされる格好になりそうだ。
そのため、売り一巡後の底堅さを見極めつつ、昨日決算を発表している銘柄などの押し目買い意欲などを確認することになるだろう。ソフトバンクG<9984>は地合いに押される格好から売り先行となろうが、観測に沿った形で前期は上振れ着地となった。直近2日間で大きく下落していることもあり、売り一巡後に底堅さをみせてくることが出来れば、センチメント改善に向かわせやすい可能性はあるだろう。そのほか、米国ではインフレ懸念が高まっていることから、バリューシフトがより強まることが見込まれている。ハイテク株などへ利益確定の動きが強まるなか、国内においてもバリューシフトを意識させてきそうだ。
その他、決算を手掛かりとした日替わり物色となりやすく、インデックス売買に影響を受けにくい中小型の好決算銘柄へは短期の値幅取り狙いの資金が集中しやすい。昨日の大引け後に決算を発表したところでは、GCA<2174>、GMO<9449>、GSユアサ<6674>、JESHD<6544>、MDV<3902>、NISSHA<7915>、SEMITEC<6626>、ローランドDG<6789>などの動向が注目される。
■ソフトバンクG、21/3最高益4兆9879億円、ファンドの運用成績が大幅に改善
ソフトバンクG<9984>が発表した2021年3月期決算は、純利益が4兆9879億円(20年3月期は9615億円の赤字)だった。観測報道に沿った上振れ着地となり、国内企業の純利益では過去最大を更新。世界的な株高の恩恵を受け、「ビジョン・ファンド」の運用成績が大幅に改善した。
■前場の注目材料
・1ドル109円60-70銭
・米原油先物は上昇(66.08、+0.80)
・海外コロナワクチン接種の進展
・世界的金融緩和の長期化
・株価急落時の日銀ETF買い
・アドバネクス<5998>米に医療用バネ新工場、生産再編、加州拠点は売却
・いすゞ<7202>南アからピックアップ輸出、海外3拠点体制
・KNTCT<9726>債務超過解消へ、近鉄GHDなど400億円出資
・日産自<7201>経営再建正念場、脱値引き、販売改革
・日特殊陶<5334>オゾン発生装置、浮遊ウイルス99.9%抑制、日特陶が確認
・川重<7012>川重など、シンガポールに液化水素設備検討
・NEC<6701>新5カ年中計、25年度当期益1850億円狙う
・ウシオ電<6925>分割投影露光装置の生産能力3割増強
・IIJ<3774>新中計、24年3月期売上高2700億円
・ニコン<7731>リブレット加工で戦略的開発契約
・武田薬<4502>ワクチン治験結果、PMDAに提出
・宇部興産<4208>コンポジット戦略転換、原料多様化、市場開拓加速
・旭化成<3407>アクリルラテックス・光触媒塗料の2事業撤退、和歌山工場閉鎖
・UACJ<5741>米でアルミ構造部品増強、車向け36億円投資
・UACJ<5741>中国2社に子会社株譲渡売却、アルミ製品一貫生産
・シスメックス<6869>23年度営業益800億円目指す、新中計
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
・08:50 3月経常収支(予想:+2兆7647億円、2月:+2兆9169億円)
<海外>
・特になし <ST>
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