1. 会社概要
日本プロセス<9651>は独立系のシステム開発・ITサービス企業である。経営ビジョンには、「ソフトウェアで社会インフラ分野の安全・安心、快適・便利に貢献する」を掲げている。
1967年の創業以来、安全・安心が重視される難易度の高い社会インフラ分野の制御システム及び社会インフラを支える機器の組込システムの開発で培った高品質・信頼性を強みとして、得意とする画像認識・識別技術、近距離通信技術、組込技術などを融合することで新規分野にも取り組み、持続的成長に向けた積極的投資を行っている。また長年にわたり大手優良顧客と強固な信頼関係を構築し、システム開発・ITサービス業界において独自のポジションを確立している。
事業拠点は、本社(東京都港区の世界貿易センタービルから2020年2月に東京都品川区のゲートシティ大崎に移転)、日立事業所(茨城県日立市)、勝田事業所(茨城県ひたちなか市)、京浜事業所(神奈川県川崎市)、横浜事業所(神奈川県横浜市)である。なお業容拡大に伴って、2019年10月には横浜事業所を横浜市西区に移転・拡張(横浜市戸塚区の旧横浜事業所は横浜事業所戸塚分室に)し、2019年12月には日立事業所のリノベーションを完了した。
グループ(2020年5月期第2四半期末時点)は、同社及び連結子会社の(株)アルゴリズム研究所、中国・大連艾普迪科技有限公司(IPD大連)の3社で構成されている。アルゴリズム研究所は通信技術に強みを持ち、社会インフラ分野の制御システム開発を主力としている。中国のIPD大連は、オフショア開発拠点として重要性が増したため2020年5月期から連結対象とした。なお連結子会社だった国際プロセス(株)を2019年6月1日付で吸収合併している。
同社の2020年5月期第2四半期末の資本金は1,487百万円、自己資本比率は87.0%、発行済株式数(自己株式988,048株含む)は10,645,020株、従業員数は644名である。なお2017年12月1日を効力発生日として1株を2株に分割し、2019年10月1日から2019年11月22日に自己株式200,000株を取得している。
2. 沿革
1967年に日本プロセスコンサルタント(株)を設立、1971年に日本プロセス(株)に商号変更し、1992年、日本証券業協会(取引所合併に伴い現東京証券取引所JASDAQ)に店頭上場した。2008年にはオフショア開発拠点として中国にIPD大連を設立、2017年に創立50周年を迎えている。
同社はプロセス工業向けエンジニアリング・システム開発・コンサルティング事業会社としてスタートし、その後、プロセス工業制御・自動化システム関連、原子力・エネルギー関連、地震・気象観測関連、電力系統(送配電)関連、新幹線・在来線運行管理関連、自動車パワートレイン制御・車載情報関連、衛星画像処理関連、災害対策ナビゲーション関連、通信機器・半導体関連などのシステム開発を手掛けてきた。創業以来の社会インフラ分野の制御・組込システムで培った得意技術をベースとして、事業領域を積極的に拡大している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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