2024年2月期実績で売上高の93.7%を占めるEC・通販物流支援サービスは、上述したとおりEコマース及び通信販売事業を展開する顧客に代わって配送センター業務を行うサービス。2000年頃のインターネット通販の黎明期から培ってきたノウハウをもち、そのノウハウを同社開発の倉庫管理システム「クラウドトーマス」、チェックシステム「アニー」などのソフトウエアに機能として搭載すること等によりサービス提供を行っている。また、その自社開発ソフトウエア中心に外販を行うITオートメーション事業も展開しており、月額利用料などのストック収益が積み上がる仕組みを構築している。
25年2月期第1四半期の売上高は前年同期比35.5%増の3,761百万円、営業利益は同29.8%増の78百円で着地した。23年11月取引開始の大型案件が好調で推移したほか、関通ネクストロジの計上も開始された。また、ITオートメーション事業では導入支援による「機器・導入・開発」売上高が向上し、売上高は前年同期比68.5%増の191百万円まで伸長した。通期の売上高は前期比32.9%増の15,871百万円、営業利益は同32.3%増の542百万円の2桁増収増益見通しとなっている。
同社は、埼玉県新座市・兵庫県尼崎市・大阪府東大阪市をドミナント拠点とし、各地域の倉庫拠点を約5Km圏内に集中させるドミナント戦略が強みの一つとなっている。この戦略により、エリア内の人員配備をフレキシブルに対応させることが可能となり、顧客の波動対応と成長対応を実現している。また、自社倉庫サービスの中から成功したことを形にしていくことで、独自WMSの開発、独自の庫内オペレーションの構築ができ、結果的に同社の現場力の向上につながっている。そのほか、物流センターの賃貸料や発送運賃、物流作業の人件費などの高騰は起こっているが、しっかりと価格転嫁はできており、顧客とも良好な関係を築いている。株主還元として配当を実施する中、将来的なプライム市場移行にも言及しており、業績の2桁成長が今後も維持されるか注目しておきたい。
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