2. 沿革とM&Aの実績
ポエック<9264>はこれまで合計9件のM&Aを実行し、事業を拡大してきた。M&A戦略は、技術を見つけ、育て、生かすことを基本とする。買収方針は、適正な買収価格であること、独自技術などの成長の種を有すること、事業は堅調に推移していることに加えてM&Aによって後継者難など事業承継問題の解決が図れること、などである。2022年8月期末の無形固定資産に記載されたのれんは、わずか5百万円である。グループの製造技術力の強化、製造拠点の増加、事業領域の拡大に加え、販売チャネルや商圏の拡大及び人材の獲得に寄与している。M&Aを通してメーカー機能を高めて付加価値を増幅し、シナジーの発揮により企業価値の増大を図ってきた。
同社初のM&Aは、1997年に行われた山尾産業(株)の水処理部門の営業権の取得であった。これにより、ポンプ事業を強化した。2002年には(株)オーゼットよりオゾン脱臭装置の営業権、製造権、特許権を取得した。2003年には同社企画・開発製品の製造拠点とすることを目的として、独自の製缶・溶接技術を保有する(株)三和テスコを子会社化した。三和テスコは、2002年に第10回中国地域ニュービジネス大賞を受賞した同社製品の圧力水槽方式加圧送水装置「ナイアス」の製造を行っており、2007年にはフィンランドのVAHTERUS OY製プレート&シェル熱交換器の国内独占製造販売権を取得した。続いて同社はグループの製造技術補完のため、2008年に一貫生産体制で高品質な精密機械加工及び熱処理に強みを持つ東洋精機産業(株)を子会社化した。2009年にもオガタ工業(株)より水中撹拌機の営業権及び製造権を譲受し、メーカー機能を強化した。2019年に三和テスコの外注先であった(株)ミモトを買収した。翌年にミモトを三和テスコへ吸収合併し、経営資源の集結、業務の効率化、生産拠点の相互活用、ノウハウの融合、現場管理体制強化、コストダウン、受注機会の拡大などを図った。
販売チャネル及び商圏の拡大を目的としたM&Aについては、2011年のセイブン(株)からの営業権譲受と2019年の協立電機工業(株)が挙げられる。同社は広島県福山市を本拠地とし、グループ企業は西日本に集中しているが、神奈川県に本社を置く協立電機工業を買収することで関東地方への本格的な進出の足掛かりを得た。
直近のM&Aは、2021年9月の(株)マリンリバーの企業買収である。マリンリバーは養殖設備製造ニッチ市場でトップであり、同社は製造面でのシナジー及び販売面でのクロスセルを行う考えだ。同月に、100%所有の子会社AS(株)を広島県福山市に設立し、金属材料加工業に参入した。
そのほか、2022年1月にIoTソリューションの総合プロバイダーであるテクサーの第三者割当増資に参画、出資し、同年9月に販売代理店契約を締結した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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