同社は、「業種業態にこだわらず、あらゆる商品を世の中にまだない販売の手法を考えて新たな市場(ブルーオーシャン)を構築し、独占的に販売する」という営業方針の下、長期的な営業利益を獲得できると判断した事業は積極的にテストマーケティングを実施し、見込みが出た事業に資本を注力させて伸ばしていく方針をとっている。不動産仲介事業者、引越し事業者等の提携企業との連携により顧客の必要なタイミングをいち早くキャッチし、自社サービス・他社サービス問わず電気やガスなどの生活インフラサービスを中心に利便性の高いサービスを多種多様に提供している。
24年8月期第3四半期累計の売上高は前年同期比19.7%増の85.71億円、営業利益は同4.2倍の7.48億円で着地した。繁忙期にあたる第3四半期の施策として、既存のアライアンス事業が大きく伸長したほか、クロスセル施策が奏功、また新規にM&Aにより子会社となった(株)キャリア、(株)ベンダー、(株)HOTEL STUDIO、(株)プレミアムビジネスサポートの利益が寄与したようだ。主要KPIはストック型売上であり、24年8月期第3四半期時点の売上高に対するストック売上は45.8%。ストック売上ではインターネット回線、ウォーターサーバー(宅配水)が主力となっている。電気に関しては、燃料代高騰等の不確定要素が多いことから積極的な獲得はしていないものの、既存顧客からの継続的な売上は見込まれる。通期の売上高は前期比17.1%増の109.5億円、営業利益は同4.3倍の8.5億円を見込む。
同社は、既存事業の拡大、新規事業への参入、挑戦的なM&Aと3つの成長戦略を掲げている。既存事業では、新しい販売手法によるブルーオーシャンの確立とともに、賃貸業界だけでなく同業他社からもアウトソーシング先として選ばれるIT化したコールセンターの確立を目指している。また、新規事業では、コールセンターを利用した事業や既存顧客データを再利用できる事業など、既存事業とシナジー効果の高い事業の確立を目指し、異業種であってもWEB、メディア、リスティングを利用できる事業への参入に取り組んでいくようだ。M&Aについては、既存事業とのシナジー効果が見込める事業・企業は今後も積極的に投資を行う。直近では、株主還元方針の変更を発表し、株主優待を廃止して配当を実施するようで、2025年8月期の中間配当から配当を開始する方針。そのほか、SOMPOワランティと同社の業務提携を開始したことを発表しており、さらなるマーケットシェアの拡大と顧客満足度の向上を図るという。トップラインの2ケタ成長のなか、同社の今後の動向に注目しておきたい。
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