コンタクトセンター・BPOサービスがグループ売上高の約80%強を占め、80種類以上のスーパーバイザー(オペレーターを指導するリーダー的立場のスタッフ)教育コンテンツを有するなど、専門性と強みを有する。また、自社開発クラウドPBX「Omnia LINK」は自社の受託業務のなかでも活用されるなど、同社グループの競争力の源泉となっている。顧客企業は、コンタクトセンターの在宅化にスムーズに移行でき、外資製PBXや別のソリューションを組み合わせてコンタクトセンターを手掛けるより「Omnia LINK」を活用することでコストを3分の1程度縮小できる。さらに、コールセンター向けには「Omnia LINK」の外販も実施しており、コンタクトセンターの運用とシステムの独自開発及びその外販を実現しているのは同社のみとなる。
24年5月期の売上高は前期比8.8%増の38,253百万円、営業利益は同14.3%増の2.543百円で着地した。計画は未達となったが、日本郵便など金融案件の増加に伴って売上高は過去最高を更新している。オペレーション席数が7,024席(前年同月比3.8%増)に到達し、在宅オペレーター数は1,613人(同13.3%増)となった。また、Omnia LINK外販売上高(イニシャル売上を含む)は7.9億円(同30.5%増)と計画を超過し、Omnia LINK外販 ライセンス数は3,248ライセンス(同37.0%増)で着地した。25年5月期の売上高は前期比9.8%増の42,000百万円、営業利益は同25.8%増の3,200百万円の見通しとなっている。
同社は中期経営計画を開示しており、26年5月期には売上高460億円、営業利益41億円を目指している。コンタクトセンター・BPOはほとんどが継続顧客となっており、新規顧客を増加させることで底互い成長が期待できる。また、コンタクトセンターのクラウド型CRM(PBX)の市場規模は引き続き堅調に推移しており、オンプレミス型の利用企業の構成比は54%と、リプレイス予定の構成比は上昇している。さらに、Omnia LINK外販計画では、26年5月期にARR21億円、ライセンス数で8,000を掲げ、ARPUも段階的に改善する予定である。そのほか、CC・BPO市場は自社運営のセンターからのアウトソーシング化や非対面接客の流れから拡大しており、市場環境の追い風も続く。株主還元としても配当性向を50%目途に引き上げる予定で配当利回りは既に4%を超えており、業績の底堅い成長とともに今後の動向に注目しておきたい
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