顧客のロジスティクスを企画・提案し、自社及び顧客の物流センターの輸送・保管・包装・荷役・流通加工・情報システムの構築を一貫して推進する3PL(3rd Party Logistics)事業を主軸に、同業他社に3PL事業をプロデュースしてサプライチェーン全体を管理する4PL(Fourth Party Logistics)事業を展開する。メーカー、卸売、小売間でそれぞれ実施する拠点間配送、在庫管理、検品作業などを拠点物流センターに集約し、構内作業工程や配送業務の徹底した合理化により全体最適化する「運ばない物流」を提案・構築・運営している。また、同社独自の物流総合システム「Jobs」を開発し、物流D X化・見える化も行っている。23年12月期時点で計58拠点を運営し、顧客企業は25社、大口顧客はクスリのアオキ<3549>、三菱食品<7451>の2社で、前期実績で営業収益の約45%程度を占めている。
24年12月期中間期の営業収益は前年同期比17.3%増の14,446百万円、営業利益は同22.0%増の918百円で着地した。既存業務および前年稼働業務が堅調に推移したことに加え、配送コースや構内業務など業務全体の見直しを行ったことが奏功。中間期の業績として、過去最高の営業収益及び各利益を達成している。通期の営業収益は前期比13.2%増の29,800百万円、営業利益は同15.2%増の2,070百万円と増収増益見通し。7月の月次営業収益が発表されているが、累計で前年同期比17.3%増となり、通期計画と比して順調以上の推移となっている。
同社は今後、引き続き生活物資に特化した物流への経営資源の集中投資を実施し、既存の顧客25社のシェアアップに注力していく。M&Aによる拡大も検討しつつ、既存エリアの受託業務拡大を行い、中長期的に全国に物流拠点開設を目指す。また、長期的には「Jobs」の機能を拡張し、同システムの販売による収益拡大も検討しているようだ。そのほか、「物流の2024年問題」については、同社は2019年から先行対応しており、ドライバーの時間外労働時間を段階的に引き下げ、将来的に時間外労働時間年間720時間以内を目指している。ドライバーを含めた全従業員の賃上げを実施しており、ドライバーの人手不足なども問題も同社には現状影響がない。株主還元では、配当性向やDOEを考慮しながら長期的に安定した配当継続を志向。足もとでは連続増配を続けている。業績の底堅い成長が続くなか、物流M&A再編の核としても、市場からの注目が集まりそうだ。
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