3. サステナビリティ
ガバナンスの強化として取締役会等の責務と人的資本投資を掲げる。具体的な取り組み方針としては、取締役会等の責務では、実効性評価の実施による取締役会における議論の活性化、取締役の報酬制度の見直し(退職慰労金廃止・業績連動報酬導入)、スキルマトリクスに基づく取締役会の機能強化、取締役メンバーの多様性確保(事業分野、専門性、性別、独立性)などを目指す。人的資本投資では、人材の多様性確保に向けた女性管理職の登用・拡充、社員の成長に資する新評価制度の定着化や研修制度の拡充などを掲げている。また、サステナビリティでは、サステナビリティ基本方針の策定、環境性能への対応、古民家再生事業への取り組み、SmaGO(スマートごみ箱)の設置などを挙げている。
2024年2月期には、人的資本投資について、従業員エンゲージメント向上及び人材確保の観点から2年連続でのベースアップや、外向き志向への転換を意図した神戸市や首都圏の不動産会社への社員出向を実施した。また、サステナビリティについては、持続的な企業価値向上に向けた対応として、サステナビリティ経営をより積極的に推進するため、新たにサステナビリティ基本方針の策定と、基本方針に基づき実現したい未来に向けて重点的に取り組む9つのマテリアリティ(重要課題)を特定した。
4. 利益配分方針
会社の継続性及び収益性を確保するため、既存事業及び新規事業への再投資を中心としつつ、株主還元策の拡充及びESG、SDGsの観点も含めて利益の配分方針を明確化している。具体的には、事業再投資の水準を50%~70%とし、収益性、効率性及び市場動向の把握を通じ、成長性なども加味して既存事業への再投資を図る。配当性向の水準は20%~30%とし、株主への適正な還元が求められるなか、30%の配当性向を目指す。サステナブル関連の水準は10%~20%とし、新たな事業領域への投資も含めて環境面への対応、人的資本への投資に充当する。
同社では2022年2月期以降、配当性向の引き上げに向けて増配を続けている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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