<話題の焦点>=不動産株に好機、好環境で見直し条件揃う
やはりここは、政策や経済実勢面で追い風が強い内需関連株で攻めてみたい。有力なのは底値圏で下げ渋っている不動産セクターだろう。
10月末の日銀の金融政策決定会合では、政府要人発言なども背景に追加緩和期待が一部で高まっている。一段の緩和となれば、高額の案件を扱う不動産関連企業にとって調達コストの低下によるメリットは大きなものがある。
足もとの収益環境も良好だ。8月の都心5区のオフィス空室率は前月比0.17ポイント減の4.72%(三鬼商事調べ)となった。6年半ぶりに5%台を割り込んだ前月を引き継ぎ、貸し手優位の構図が一段と明確になっている。
さらに、空室率低下に伴う需給のタイト化は賃料の上昇にも直結する。三井不動産<8801.T>などビル賃貸を主力とする大手不動産にとってダブルで収益恩恵が見込まれる状況にある。大型商業施設については、訪日客急増によるインバウンド消費の恩恵も大きい。
一方、マンション分譲も都心部の高額物件が好調で利益を押し上げる。渋谷や六本木、日本橋などをはじめ相次ぐ都市再開発事業が、不動産市況回復とともに、富裕層の購買需要活性化にも一役買い、建設コスト上昇を吸収している。
◆収益環境に追い風強い大手不動産
銘柄<コード> ひとくちコメント
三井不<8801.T> 都心のオフィス賃貸で実力、開発力も抜群
三菱地所<8802.T> 丸の内の大家の異名、マンションも強い
東京建物<8804.T> 賃貸主力、不動産流動化事業でも展開力
住友不<8830.T> 都市再開発に軸足、大型案件竣工相次ぐ
大京<8840.T> 「ライオンズ」ブランドで展開、国内に特化
出所:株経通信(株式会社みんかぶ)
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