ファイナンス事業においては、金利収入の増加に伴い、売上高は6,569百万円(前期比25.9%増)、売上総利益は4,830百万円(同16.6%増)となった。営業損益は、損失を計上した前期より2,809百万円増加し、2,154百万円の利益を計上した。これは主に、ファクタリングや企業融資を中心に契約実行高、アセットが増加したことに加え、与信関連費用が減少したことによるものである。なお、民需における業種別では、海外案件が減少している流通業を除くすべての業種で増加した。
インベストメント事業においては、大型の販売用不動産売却により売上高が22,813百万円(前期比39.4%増)となったが、前期に計上した不動産の大型配当収益やベンチャー投資のEXIT益の減少が影響し、さらに与信関連費用が増加したことから、営業利益は4,412百万円(同18.2%減)となった。
内訳は、アセットビジネスについては、前期に複数計上したベンチャー投資のEXIT益が減少したこと等により、売上高106億円(前期比10.9%減)営業利益32億円(同11.1%減)と減収、減益。不動産については、大型の販売用不動産の売却があったことから、売上高は118億円(同195.0%増)と大幅に増加したが、前期に大型の配当収益を計上していたため、営業利益は14億円(同30.0%減)となった。アドバイザリーは、売上高は4億円、営業損失1億円と前期並みとなった。のれん他に関しては、のれん償却が前期で終了している。
3. 営業資産残高の状況
2023年3月期の営業資産残高は9,661億円となり、前期比で227億円の増加となった。内訳としては、リース事業は6,125億円と同75億円減となっているが、前期に大型の賃貸資産売却があったため、実質的には前期並みを確保した。ファイナンス事業はファクタリングや企業融資を中心に資産を積み上げ、同214億円増加の2,424億円。インベストメント事業は大型の不動産売却があったが、投資有価証券等の増加により前期並みの841億円だった。その他の事業はヘルスケア施設の取得等に伴い81億円増の271億円だった。
与信関連費用については、リース事業、インベストメント事業で増加するも、ファイナンス事業においては23億円と大幅に減少し、全体で改善した。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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