サンワテクノス<8137>はPBR1.0倍超の早期実現を目指すための施策の1つとして、株主還元策の強化を発表した。具体的には、従来の安定配当を維持しながら中長期的な視点で連結業績に応じた利益還元を行う基本方針を維持しつつ、具体的な利益配分指標として連結配当性向で25~35%の水準を目標とすることを明示した。同方針に基づき2023年3月期の1株当たり配当金は前期比53.0円増配の90.0円(配当性向25.3%)と大幅増配を実施し、2024年3月期も同横ばいの90.0円(同35.3%)とすることにした。今後、連結配当性向で25.0%を下回る状況となれば増配が期待できる。
また、自己株式の取得についても時期や財務状況に応じて機動的に実施する方針を明らかにし、2023年5月に自己株式の取得を発表した。具体的には取得株式数で70万株(上限)、取得価額で10億円(上限)を設定した。取得期間は2023年5月から10月までとしている。発行済み株式総数(自己株式除く)に対する割合は4.52%となる計算で、配当金と自己株取得を合わせた総還元性向は60%弱に達する見込みだ。2023年3月期末の1株当たり純資産は2,873円で、PBRは0.7倍の水準にとどまっているため、今後もPBR1.0倍超の実現に向けた積極的な株主還元が期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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