<話題の焦点>=養殖フグ無毒化へ論争、需要増加につながるか?
近年、エサの改良などで養殖トラフグの肝臓を無毒化する技術が進んでいるという。佐賀県は、これを観光資源に生かせるのではないかと着目し、2004年と10年に「フグ肝特区」という食用解禁を国に申請したが、安全面の課題が解決していないとして、いずれも却下されている。佐賀県は再び、養殖トラフグの肝臓を1匹ずつ調べる全匹検査をしたうえで出荷する仕組みを厚生労働省に提案。これを受けて、安全性を評価する食品安全委員会の専門委員会が今年5月に初開催された。早ければ1年以内に結論が出るという。
今もフグ肝に含まれる毒の仕組みは解明されておらず、安全面のリスクから食用解禁に反対する団体は多い。しかし、今回の専門委員会の決定次第では、検査によって安全が確認されたフグが食卓に並ぶ可能性もある。
ふぐ料理専門店「玄米ふぐ」を展開する関門海<3372.T>や、水産品の主な仕入れ先である尾家産業<7481.T>、高級路線の「とらふぐ亭」を持つ東京一番フーズ<3067.T>はフグ肝をめぐる結論いかんでは、注目を集めることもありそうだ。飼料大手の中部飼料<2053.T>は、高級食材として人気の高い白子(フグの精巣)の量産につながる全オス化したトラフグの出荷を既に始めている。他にもフグの飼料を扱うフィード・ワン<2060.T>や、大阪市中央卸売市場を運営するOUGホールディングス<8041.T>に今後の注目が集まる。
出所:株式経済新聞(株式会社みんかぶ)
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