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2025/11/11 - タカラスタ(7981) の関連ニュース。 会社概要梅田馨氏(以下、梅田):執行役員 管理本部 財務企画部・IR部管掌の梅田です。それでは、2026年3月期第2四半期の決算についてご説明します。資料は決算説明資料に沿って進めていきます。スライドには、会社概要を記載しています。市場別の商流や製品別の業界シェアについてまとめていますので、後ほどご確認ください。

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【QAあり】タカラスタンダード、新築向けが好調で売上高は2Qの過去最高、営業利益は前期比46%増 通期業績予想を上方修正

投稿:2025/11/11 17:00

会社概要

梅田馨氏(以下、梅田):執行役員 管理本部 財務企画部・IR部管掌の梅田です。それでは、2026年3月期第2四半期の決算についてご説明します。資料は決算説明資料に沿って進めていきます。

スライドには、会社概要を記載しています。市場別の商流や製品別の業界シェアについてまとめていますので、後ほどご確認ください。

決算ハイライト

決算ハイライトです。スライドの上部に記載のとおり、上期の決算では売上高が過去最高を更新し、各利益項目も46パーセント以上の伸びを達成しました。

売上高は、新築向けの戸建・集合住宅ともに好調に推移し、全体の売上高を押し上げました。収益については、増収に加え、採算性の改善や経費抑制、コストダウンなどの取り組みにより、大幅な増益となっています。

次に、今期の業績予想についてですが、上期の業績を踏まえ、業績予想を上方修正しています。売上高・各利益ともに過去最高を予想しており、売上高2,500億円、営業利益175億円、当期純利益130億円を見込んでいます。

最後に、株主還元についてですが、すでに公表している内容から変更はありません。2026年3月期の配当は、中間・期末ともに50円で、年間100円、配当性向は50パーセント水準です。上期の自己株式取得は、今期計画の約50パーセントにあたる55億円を上期に実行しています。

経営成績

経営成績についてです。上期の売上高は1,231億円で、前期より71億円増加し、増減率はプラス6.2パーセントとなりました。売上高は5期連続で過去最高を更新しています。後ほど記載していますが、特に新築向けが好調で、大幅な増収となっています。

売上総利益は432億円で、35億円の増益、増減率はプラス9パーセントです。増収に加え、主に新築向けのオプション品の拡販などにより採算性が向上しました。

販売費及び一般管理費は344億円で、前期より7億円増加していますが、合理化やコストダウンの推進により、対売上高比率は前期より1.1ポイント減少しました。

その結果、営業利益は87億円となり、前期より27億円増加、増減率はプラス46.3パーセントと大幅な増益となっています。

経常利益は90億円で、前期より28億円増加し、増減率はプラス46.8パーセントとなりました。純利益は69億円で、前期より30億円増加し、増減率はプラス79パーセントとなりました。

各利益はいずれも大幅な増益となりました。特に純利益は、保有株式の売却による売却益が大きく寄与し、増減率を押し上げました。

営業利益の増減要因

こちらのスライドには、営業利益の増減要因を記載しています。上期の営業利益は前期より27億円増加し、87億円となりました。

その内訳は、スライドの左側に記載されている「売上要因/売上構成要因」でプラス41億円となっており、主に新築向け売上の好調が利益を大きく押し上げました。

「合理化/コストダウン要因」では、プラス8億円となりました。購買資材のコストダウンや、在庫圧縮に伴う外部倉庫撤退による物流費の削減などが貢献しています。

一方で、「コストアップ」については、木質材など資材価格の上昇が要因となり、マイナス13億円となりました。

「人的資本投資」としては、賃上げによる処遇改善に加え、成長事業やDX関連の人材強化を進めています。

「その他経費」については、生産設備の増強に伴う減価償却費の増加などが要因です。

結果的に、上期は27億円の増益となっています。

市場別の売上高

市場別の動向です。新築戸建向け売上高は378億円で、増減率はプラス9.1パーセントと大幅に増加しました。これは、オプション品などの単価アップや、2025年4月の建築基準法改正に伴う駆け込み需要の効果が一部現れたため、大幅な増収となっています。

新築集合向け売上高は426億円で、増減率はプラス10.6パーセントと2桁の伸びとなりました。首都圏をはじめとする大都市圏での需要が堅調であり、オプション品の単価アップなども寄与しています。

リフォーム市場向け売上は375億円となりました。ボリュームゾーン商品の仕様強化などに注力しましたが、業界全体の伸び悩みにより微増にとどまりました。

製品部門別の売上高

キッチン・浴室・洗面化粧台の主要3部門の販売状況です。3部門とも前期を上回る売上高で着地しています。

キッチンの売上高は749億円で、増減率は6.9パーセント増となりました。浴室の売上高は291億円で、増減率は4.3パーセント増となりました。洗面化粧台の売上高は146億円で、増減率は11.3パーセント増となっています。各部門とも増収となりました。

先ほど新築集合市場で2桁の伸びを記録したとお話ししたとおり、高いシェアを持つキッチンと洗面化粧台が、特に木製品を中心に売上を伸ばし、高い伸び率を達成しています。

出荷台数前期比 及び 当社シェアの推移

業界との出荷高の動向を比較した資料です。出荷台数について、業界と当社を折れ線グラフで比較していますが、資料右側の当上期において当社のシステムキッチン・システムバス・洗面化粧台の各出荷台数は、いずれも業界動向を上回り、高い水準を維持しています。

市場別の各製品売上構成

市場別のキッチン・浴室・洗面化粧台の主要製品の売上構成と、市場別の前年同期比をマトリックスで表しています。先ほどからご報告しているとおり、上期好調だった新築市場では、キッチン・浴室・洗面化粧台ともに高水準で推移していますが、リフォームについては業界全体で伸び悩む中、微増にとどまっています。

貸借対照表

貸借対照表です。前期末である2025年3月末との比較ですが、資産合計は4億円増加し、2,773億円となりました。

純資産については、配当金の支払いと自己株式の取得により、前期末より13億円減少しています。その他の増減内訳については記載のとおりです。

キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況です。営業活動によるキャッシュ・フローはプラス106億円、投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス63億円、差し引きしたフリーキャッシュ・フローはプラス42億円となっています。

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得と配当金の支払いによりマイナス105億円となりました。現金及び現金同等物は、期初より63億円減少して617億円となっています。

事業環境の認識

2026年3月期の通期業績予想についてです。こちらのスライドには事業環境の認識が示されていますが、住宅市場では2025年4月施行の建築基準法改正に伴う駆け込み需要の反動などにより、新設住宅着工戸数が戸建・マンションともに前年から大幅に減少しています。ただし、当社の業績への影響は、戸建・マンションともにほぼニュートラルと見ています。

リフォームについては、足元では力強さを欠く状況ですが、当社の上位クラスから普及クラスまで、またホーロー製品から木製品まで豊富な品揃えを全面的に推し進めたフルラインナップの提案により、台数の増加を見込んでいます。

2026年3月期 業績予想

それを受けた通期業績予想は、こちらのスライドに記載されています。リフォーム部門については市況も厳しく、売上は微増を想定しています。上期に好調だった新築の戸建・集合住宅については当初予想を上回る着地を見込んでいます。

その結果、売上高については当初予想より30億円の上方修正とし、各利益についても増収に伴う増益を想定し、売上・利益ともに上方修正を行っています。

修正後の業績予想では、売上高は2,500億円で前期比プラス2.7パーセント、営業利益は175億円で前期比プラス11.9パーセント、純利益は130億円で前期比プラス17.2パーセントとしています。

株主還元については、当初公表どおりとしており、ROE予想に変更はありません。目標は6.7パーセントとしています。

2026年3月期 業績予想(上期実績・下期予想)

業績予想について、上期実績・下期予想の比較です。先ほどご説明したとおり、上期は新築について好調であり、リフォームは微増という状況を踏まえ、下期については新築戸建が法改正の反動減を一部想定し、保守的に策定しています。

新築集合については、売上高を前期並みと想定していますが、利益については昨年の下期にオプション品の販売が非常に好調で利益を押し上げたことから、今期の下期は保守的に策定しています。

リフォーム事業については、市況が厳しい状況の中、提案の強化を進めています。また、資料33ページに記載のショールーム来場状況を踏まえ、販売台数を策定しています。

営業利益の増減要因

通期修正計画における営業利益の内訳です。「売上要因/売上構成要因」については、下期を微増とし、42億円のプラスと見込んでいます。

「合理化/コストダウン」、その他の項目については、上期・下期はほぼ同水準の予想としています。

株主還元 : 配当性向

株主還元についてです。配当額は当初の予定どおり、1株あたり中間配当50円、期末配当50円で、年間配当合計は100円と変更はありません。

株主還元 : 総還元性向

自己株式の取得は当初予定どおりで、今期は約110億円と変更ありません。なお、上期の実施額は55億円です。総還元性向も当初より変更なく、130パーセント水準としています。

21ページ以降はAppendixとして添付していますので、後ほどご確認ください。2025年上期の決算概要は以上です。

上期の実績について

小森大氏(以下、小森):社長の小森です。まずは、本日は当説明会にご参加いただき、本当にありがとうございます。先ほど梅田から説明しましたが、私から一部補足と、Appendixについて少しお話しします。

おかげさまで上期が終了し、売上高は過去最高、営業利益も46パーセント増という一定の成果を上げることができました。想定とは違うという表現はおかしいかもしれませんが、一部、マンション市場が引き続き好調だったことが要因です。

また、新築戸建においては、建築基準法改正の影響が第2四半期から出てくると想定していましたが、第2四半期におけるシステムキッチンの新築戸建の台数はほぼ前年並みで、市況を上回る結果を出せたと考えています。

新規開拓を進めるとともに、システムバスのセット率を上げたことが大きな要因です。前線の営業がシステムバスを積極的に拡販した結果、システムキッチンの台数は100パーセントでしたが、システムバスが108パーセント伸長し、最終的にプラスの影響をもたらしました。

加えて、リフォーム市況に関してですが、私たちも今期には期待しています。ただし、キッチン・バス工業会のデータでは、上期の数値を見るとほぼ前年並みで、システムバスにおいては前年を下回る市況となっています。

一方で、当社は前年を上回っており、リフォーム分野では微増ではありますが、一定のプラスを図れたと考えています。

上期は経費の圧縮などをかなり実施しました。これらを踏まえ、年間業績について売上高を30億円、営業利益を3億円ほど上方修正しました。

年間業績は当初の予想より微増となり、営業利益・純利益ともに過去最高となる見通しです。この点については、年間を通じてみなさまにお約束するという意味で上方修正を行い、保守的な数値として改定しました。

以上が実績に関してです。

当期のトピックス

直近の近況についてお伝えします。先月9月末に「日経・東証IRフェア2025」に初出展しました。これは個人投資家向けのIRセミナーで、当社にとって初めての出展でした。実際にシステムキッチンを1台持参し、インパクトを与えることを目的として出展しました。機関投資家のみなさまとの対話だけでなく、個人投資家向けのIR活動もどんどん強化し、多くの対話を今後も進めていこうと考えています。

また、スライド右側には海外向けのPR活動について記載しています。当社は現在、中国、ベトナム、台湾の3ヶ国を既存国として営業を展開しています。これらの国での認知度向上を目指し、3ヶ国のインフルエンサーの方々を日本に招き、日本の伝統やジャパンクオリティ、日本のもの作りを象徴的に発信するため、京都の萬福寺にキッチンを展示してイベントを実施しました。

インフルエンサーの方たちに食事や料理を体験していただき、当社のキッチンをご覧いただいた上で、SNSでPRしていただくイベントを初めて実施しました。これは、海外での認知度を既存国も含めてどんどん上げていこうという取り組みの一環です。

スライドの右下に記載されていますが、8月にシステムバスと洗面化粧台の新製品を発売しました。先ほどの資料にもありましたように、洗面化粧台は2桁増と非常に好調に推移しています。また、新製品であるホーロー洗面化粧台「ファミーユ」も現在のマーケットのニーズに応えられる商品として、今回発売しました。

収納性とデザイン性を兼ね備えた商品であり、幅広い世代のニーズにマッチしたものではないかと考えています。発売以来非常に好評で、順調に推移している状況です。値ごろ感もあることから、期待できる新製品と考えています。

業界シェア

決算発表で初めて開示する内容として、キッチン・浴室・洗面化粧台の合計金額を記載しています。

2018年度3月期において、当社はブルーの折れ線グラフで示されているように、トップ企業との差が800億円ありましたが、昨年度はなんとか1位になることができました。これにより、水まわりの主要3部門の合計金額でトップシェアを獲得しています。今後もこのシェアをさらに伸ばすべく、注力していきたいと考えています。

特徴・強み:独自素材「高品位ホーロー」

こちらのスライドでは、ホーローについて記載しています。当社は樹脂や木製品など、さまざまな素材を扱っており、その中でも他社との差別化を図ったホーロー製品を展開しています。この「高品位ホーロー」は、ホーローにしか実現できない特性を持ち、従来不可能だったつや消しのマット調といったトレンドの表現も可能になっています。

また、こうした技術をさらに磨くため、大阪に新たなR&Dセンターを開設する予定です。来年6月から稼働を開始するこのR&Dセンターでは、さまざまな素材の研究・開発を行い、独自性のある、世間に認められるような商品開発に一層注力していきます。

特徴・強み:安定供給を実現する生産・物流体制

当社はマンションだけでなく、全国に15ヶ所の生産拠点を持ち、さらに物流拠点をいわゆる大消費地の近くに自社で所有している点が非常に大きな強みです。

これは、大量生産・大量供給が求められる分譲マンションでの我々の優位性といえます。この物流拠点をさらに活用して、ここでさまざまな加工を行い、現場での施工時間を短縮する取り組みを進めています。

生産においては、例えば重ねて運ぶことで物流費を圧縮するなど、配送と生産効率を考慮しながら、物流拠点に集約して加工する取り組みを始めています。

これらの取り組みに今後さらに特化することで、原価低減や生産性の向上、物流費の圧縮に力を入れていく方針です。

特徴・強み:専門の営業組織と業界最多のショールーム

こちらはリフォーム市場、新築集合住宅市場、新築戸建市場について、それぞれの市場で当社が特化して営業している状況を示しています。

スライドに記載はありませんが、例えば左側のリフォーム市場において、当社の推計では現在のシェアは約15パーセントです。この15パーセントという数字は、まだ伸びしろが大きいと考えており、将来的には倍の30パーセントまでシェアを上げることが可能だと見込んでいます。

ですので、現在、我々はリフォーム市場の強化を図るために、商品や各種施策の強化に取り組んでいます。これからリフォーム市場でシェアを倍増させるための努力と施策を進めていきます。

スライド中央に記載の新築集合住宅市場では、システムキッチンと洗面化粧台の分野で、分譲マンションにおけるシェアが80パーセントに達しています。ただし、今後は人口減少に伴い、着工戸数が減少する可能性があると懸念しています。

我々はシステムバスにおいて、現在6パーセントのシェアしか持っていないため、このシェアをさらに拡大していく方針です。たとえ着工戸数が減ったとしても、システムバスの販売で売上減を補っていく施策を進めています。

その一環で、福岡にシステムバスの工場を建設中です。この工場は2028年4月に稼働開始予定です。

また、スライドの右端に示されている新築戸建市場についてです。戸建注文住宅では30パーセント強のシェアを持っていますが、分譲住宅に関してはまだ10パーセント台にとどまっています。

新築戸建住宅の着工数が減少したとしても、まだシェアを拡大する余地は十分にあります。特にシステムバスに関しては低いシェア率にとどまっているため、国内の3つの市場全体でやるべきことが多くあります。

そのため、それぞれの営業部隊、支店、組織で課題を明確にし、市場シェア拡大を目指した営業展開を行っています。私からのご説明は以上です。

質疑応答:上期の好業績の要因について

司会者:「上期は新築を中心に、同業より相当強い数字が出ていますが、その要因について、もう少し具体的に説明してください」というご質問です。

小森:私からご説明します。同業他社の決算を確認していますが、例えば建築確認のデータを見ても、新築件数はかなり減少しています。

一方で、当社は分譲マンションにおいて非常に高いシェアを持っており、特に都市部を中心に分譲マンションの納入が依然として好調です。上期においても、新築分譲マンションへの納入は順調に進み、これにより非常に好業績を達成できたと考えています。

やはり工期が長いため、新築分譲マンションの着工データはもう少し先の話になります。そのため、1年前や2年前の着工データが現在の納入時期に該当しているという、時期のずれが正直あると思います。

また、戸建に関して第1四半期と第2四半期を比較すると、第2四半期はシステムキッチンの出荷台数がほぼ前年並みでした。おそらく建築基準法改正の影響で、第1四半期に駆け込みが多少ずれてこぼれた部分はありましたが、それは解消されていると考えています。

第2四半期については厳しい状況を想定していましたが、システムバスの販売を強化し、売上を補いました。台数で見ると、第2四半期のシステムキッチンはほぼ前年並みの100パーセントから101パーセント、システムバスは107パーセントから108パーセントという結果で、システムバスの販売が売上を押し上げる要因となりました。

新築住宅に関しても、上期は非常に厳しいと予測していましたが、営業努力も含めて数字を作ることができ、それが収益に好影響を与えたと見ています。

質疑応答:上期の上振れ要因について

司会者:「上期の上振れ要因として、建築基準法改正の影響などの外的要因と、営業努力などの内的要因とに分解した場合、定量分析はなかなか難しいかもしれませんが、どちらが大きいなど、イメージがありましたら教えてください」というご質問です。

小森:これは非常に難しいと思います。第1四半期については、建築基準法改正の影響で前期末までに納入できなかったものが時期をずらして第1四半期に入ったことにより、前年からシステムキッチンの台数が107パーセントから108パーセント増加したと思います。

先ほどご説明しましたように、第2四半期ではシステムキッチンが100パーセントという状況を踏まえると、定量的な分析が難しい部分はありますが、営業努力によるシステムバスの販売強化で、なんとか数字を達成できたと考えています。そのような意味で、第1四半期と第2四半期では少し状況が変わってきたと感じています。

答えになっているかはわかりませんが、第2四半期に台数が前年並みであっても、売上を上げることができた点や、システムバスの販売ができた点は、今後を考える上で当社として非常にプラスであると考えています。建築基準法改正の影響で新築の戸建市場は厳しくなると想定される中、営業努力によりプラスの効果が少なからず見られたと現時点では見ています。

質疑応答:事業環境の変調と内的改善による収益性向上について

司会者:「下期計画は保守的な数値とのことですが、足元では変調の兆しがあるのでしょうか? また、内的改善は継続すると考えてよいのでしょうか?」というご質問です。

小森:まず、事業環境に大きな変化はないと考えています。そのため、現状の流れを維持する見通しです。下期において、これまでの事業環境が大きく変わるような案件は特にないと見ています。

一方で、内的な改善についてですが、賃上げの影響で人件費が上昇傾向にあります。サプライヤーからの影響や物流費の値上げなどのコスト増加も想定されます。とはいえ、私たちは先ほど触れました生産や物流の部分で、物流費の圧縮など企業努力を進めています。さらに、生産効率の向上や営業経費の大幅な削減にも取り組んでいます。

これらの点を厳しく見直しながら、売上の最大化を目指す努力を続けています。このように自助努力を通じて内的改善を図り、収益性のさらなる向上を目指しています。その結果として、今後も営業利益率を向上させる方針に変わりはありませんので、ご理解いただければと思います。

質疑応答:業績達成や上振れに対する自信について

司会者:「来期は中計数値を発表されていますが、売上については今期計画水準になっています。営業利益率などを含めて、達成や上振れに対する現時点での自信度を教えてください」というご質問です。

小森:今期の業績予想を上方修正し、売上高は2,500億円としています。また、中期経営計画最終年度の売上高についても同様に2,500億円を見込んでいます。これは「伸びないのではないか?」と見られるかもしれませんが、実際には収益性を向上させるため、商品の廃番を進めるなど、やめていく事業も増えています。

具体例として、今期はすでに発表済みですが、トイレ事業から撤退する方針を決定しました。そのため、来期以降トイレ事業の売上はなくなります。また、電気温水器の販売も足元で終了しています。

おそらく来期には、40億円から50億円程度、今年までにあった売上がなくなる見込みです。その結果、同じ2,500億円であっても構成が変わり、2,450億円から2,500億円へと業績予想を上方修正する段階となります。また、収益性の向上を考慮し、廃止する事業を慎重に選定して進めています。このような取り組みを通じて、営業利益率を向上させていく方針です。

自信に関しては、「自信がない」と明言するのは慎重を期したいところですが、中期経営計画で掲げた目標に対し、我々は努力を尽くしてコミットしていく決意です。経営改善や改革も合わせて進めている旨、ご理解いただければと思います。

質疑応答:資材動向の変動とコストダウンについて

司会者:「資材コストダウンを実現されたとのことですが、物価高が続く中、具体的にどのようなことを実施されたのでしょうか?」というご質問です。

梅田:梅田がお答えします。資材については、すべてが昨年度と同じように値上げしているわけではなく、一部の資材の価格動向には変動があります。特に当社の場合、使用量の多いホーロー鋼板などは市況が低下してきていますので、その点がコストダウンに大きく寄与していると考えています。

また、それ以外の資材についても、複数の購買先から選択する、仕様を変更するなどの見直しを行い、細かい部分ではありますが、このようなかたちでコストダウンを積み重ねてメリットを上げていきます。

質疑応答:リフォーム事業の現状と今後の強化策について

司会者:「新築もリフォームも市場が減少している中、新築は非常に健闘していますが、一方で、リフォームの伸びが物足りない印象です。商品ラインナップの見直し効果などはどうなのでしょうか? シェアを倍にする取り組みとはどんなものでしょうか?」というご質問です。

小森:おっしゃるとおり、リフォームに関しては、今回の売上に関して0.3パーセントしか伸びていないという状況です。ただし、先ほどもお伝えしましたが、今期は約4億円相当の廃番商品や取り扱いをやめた商品がありました。それを考慮すると、この伸び率は0.3パーセントではなく、およそ1.3パーセントになります。

一方で、キッチン・バス工業会のデータによると、リフォームにおけるシステムキッチンは前年並み、システムバスは前年を下回っている状況です。こうした状況を踏まえると、わずかな増加ではありますが、市況を上回っているのが現状です。

ただし、先ほど「倍にします」とお話ししたとおり、売上を倍にするためには、商品力や営業先の拡大などが必要になります。我々は営業先を強化する必要があると考えています。これまで、地場密着型の非常に優良なリフォーム店を中心に販売を進めてきましたが、そこは我々も一緒にしっかりと連携しながら推進していきます。

さらに、現在リフォーム分野で主要なプレイヤーとなっている多店舗展開を行う企業や、ハウスメーカーによるリフォーム、ビルダーによるリフォームといった新たな営業先に対しても、アプローチを開始しています。

圧倒的なシェアを持つリフォーム会社に対する営業強化が必要であり、そのような企業に採用していただける商品や施策を積極的にアップデートしていく考えです。

現時点で具体的な商品内容はお伝えできませんが、今後投入を予定している新製品は、リフォーム性や施工性を向上させた運びやすい商品のラインナップをさらに拡充し、市場に展開していく予定です。ご期待いただければと思います。

質疑応答:海外市場の現状と今後の展開について

司会者:「海外市場での取り組み状況などに何か進展はありますか?」というご質問です。

小森:海外については、数値を出していますが、ほぼ前年並み、具体的には前年から4パーセントの減少という状況です。これは、ベトナムにおいて総代理店化を進めた際に、1社の既存代理店が当社との取引を終了したことが影響しています。

また、総代理店化の時期が少しずれたことにより、その間営業力が若干弱まった影響もあり、実績が減少しました。ただし、下期においては改善を図り、総代理店化の効果をさらに発揮していく予定です。これからこれを強化していきます。

今回の決算発表では資料が間に合いませんでしたが、これからは各国のショールーム拠点数や展開計画について、決算発表や機関投資家さまとの対話の機会に資料を用意して提供していく予定です。

今期においても新たに数ヶ所でショールームを展開する計画があり、新規市場としてインドやインドネシアでの事業展開を進めています。具体的な内容は現段階でお伝えできませんが、インドについては今期中の進展を目指し取り組んでいます。発表可能な段階に至りましたら、しかるべきタイミングでご報告します。

いずれにしても、「2030年までに売上高を100億円にする」については、私たちもロードマップをしっかり描いており、現在、それに向けた取り組みを加速させている最中です。ご期待いただければと思います。

質疑応答:下期の業績予測について

司会者:「通期計画は上方修正ですが、下期だけを見ると計画下方修正です。単に保守的なのか、それとも下期に何かリスク要因を想定しているのでしょうか?」という質問です。

梅田:おっしゃるとおり、下期だけを見ると、前年に対して減収減益というかたちでは見えています。ただし、ご質問の「リスク要因を見ているか?」に関して言えば、そのようなことではありません。

上期の大幅増収に対して、下期にどれだけ引き続き期待できるかという点で、私たちとしては、販売部門、リフォーム部門、新築戸建部門、新築集合部門のいずれも責任を持って出せる数字を踏まえ、今回、保守的に提示しました。

質疑応答:リフォーム事業の下期の見通しについて

司会者:「スライド33ページのショールーム来場者数の推移を見ますと、第2四半期に増加しており、下期にリフォーム売上高が堅調となりそうな印象ですが、保守的な見通しとしているのはどのような要因がありますか?」というご質問です。

小森:これは私からご回答します。確かにおっしゃるとおり、第2四半期はリフォームでの来場者数が増えています。10月までの状況を見ても健闘しており、来場が増えている状況です。

我々業界全体として、SNSなどを活用しながら同業他社も来場促進に向けたさまざまなアナウンスを行っています。当社でも、CMやSNSを通じて積極的にキャンペーンを展開しており、その効果が現在の状況に表れています。

そのため、来場された後に契約が成立するかが、やはり重要なポイントとなります。昨年と比較して決定率が非常に高くなっていることもあり、第3四半期のリフォーム売上には期待しているところです。

「では、なぜそれを織り込まなかったのか?」という話になると思いますが、新築分野において、これからの影響がどの程度出てくるのかが非常に不透明です。そのため、そのような点も考慮しつつ、しっかりとコミットできる、つまりお約束できる数値として、今回の開示を行ったということをご理解いただければと思います。このように保守的な数値を提示している理由がそこにあります。

現在、この来場数の推移が非常に好調で、前年を上回っている点はプラス材料と考えています。その上で、確実に成果を出していきたいという思いを持っています。

質疑応答:洗面化粧台の採用率上昇の要因について

司会者:「洗面化粧台が、新築戸建・集合ともに採用率が上昇している理由は何でしょうか?」というご質問です。

小森:これにはいくつか要因があるかもしれませんが、1つはやはり値ごろ感が挙げられると思います。同業他社と比較して、我々のラインナップは非常にお求めやすいと評価しています。

さらに、新築の場合、例えばカウンター式のボウルのみやデザイン性の高いものを選ばれる方も非常に多いことから、今回そのようなラインナップも増やしています。今のニーズに合わせた商品展開が非常に功を奏していると分析しています。

例えば、デザイン性の良い商品は収納力がないことがお客さまにとってご不満の一つになっているようですが、当社の商品はデザイン性が高く、収納も可能です。

また、ホーローという素材が湿気の多い洗面空間に非常にマッチしていることもあります。このため、ホーロー素材の洗面台が多くのお客さまに選ばれる要因になっていると考えています。

こうした要素が総合的に寄与し、リフォームに関してはほかのセグメント、例えばキッチンよりもやや強い結果を示しており、新築においても採用が大幅に増加している結果だと分析しています。

質疑応答:福岡工場の新棟稼働によるシステムバスのシェア拡大について

司会者:「システムバスのシェア拡大については、福岡工場が稼働し生産体制が整えば達成可能なのでしょうか? すでにデベロッパーやハウスメーカーなどと量産体制が整えば、採用していただけるような見込みがあるのかどうか教えてください」というご質問です。

小森:まず、私たちはシステムバスの壁をホーロー材で製造していますが、福岡工場の新棟はその壁パネルを増産するための工場になります。この新棟が稼働すると、現在の生産量の約1.4倍から1.5倍の生産増加が見込まれます。

また、お客さまから非常に好評をいただいているインクジェットでリアルな柄を再現したパネルの生産について、既存の工場では生産キャパシティが限られており、大量販売が実現していない状況です。しかし、新棟の稼働により、この課題が解決されることから、当社にとって非常にプラスになると考えています。

この福岡工場の新棟は、2028年4月から稼働を予定しています。また、足の長いデベロッパーやマンション物件に関しては、今年の8月から受注活動を強め、提案を行っています。2028年からの増産を見越して、すでにデベロッパーやハウスメーカーへの営業を開始しているのが現状です。

ここについては非常に期待している部分であり、生産と併せて営業活動も進めていますので、期待いただければと思います。

質疑応答:製品ごとの優位性について

司会者:「シェアを伸ばしているということですが、御社の競争力にどんなところがあるのか、製品別に教えていただけますか?」というご質問です。

小森:まず、システムキッチンにおいては、「我々は分譲マンションが非常に強い」とお話ししましたが、これは大量に作り、大量に運んで工事を行うというビジネスモデルです。当社はそれぞれのリソースを備えており、まず作って保管しておかなければ一気に納入することが難しいため、こうした点が当社の強みとなっています。

また、デベロッパーからの非常にタフでハードな要望にもしっかりと応え、製品として開発し、世に送り出すことができています。このような開発力が、当社として非常に高く評価いただいている要因です。

併せて、一般のリフォームに関しては、ホーローという他社にはない素材を使用しており、清掃性に優れている点や湿気に強い点、さらに磁石が付く素材のため、脱着しても傷がつかない点が評価され、お客さまから非常に好評をいただいています。こうした優位性もあり、当社はシステムキッチンのシェアを獲得していると考えています。

システムバスにおいてはインクジェット技術を活用し、非常にリアルなお風呂の表現を可能にしています。同業他社では実現が難しい色や柄、風合いを出すことができています。さらに、ホーロー製の壁パネルを採用しており、湿気に強くカビが生えない点や、マグネットを利用できることで収納を自由にアレンジできる点が、大きな強みとなっています。

洗面化粧台については、先ほど説明したとおりです。製品別に見ても、当社の特徴であるホーローや物流体制、施工体制が相まって、同業他社と比べて強みのある部分がシェア拡大に寄与していると考えています。

質疑応答:リフォーム市場の業績への評価について

司会者:「御社のリフォーム市場向けの売上は、前期上期が低調だったことから、当期のハードルは低いと思われます。その中で前期並みの業績ですが、どう評価されていますか?」というご質問です。

小森:先ほどからも少しお話ししましたが、当社も廃番にしたり取りやめたりしたものがリフォーム分野であり、その影響が1パーセントほどあります。それを踏まえると、1.3パーセントの伸びということになります。1.3パーセントの伸びでは非常に不足を感じられると思いますが、市況が前年並みの中で反転攻勢に出て伸ばすことができた点については、一定の評価をしています。

ただし、このリフォームのマーケットシェアを向上させるためには、依然として市場における主要なリフォーム業者やハウスメーカーからの採用をさらに進める必要があります。そのため、商品力の強化や配送・施工力の向上、施工性の高い商品の提供など、あらゆる力を駆使した商品開発が求められます。

併せて、マンションリフォーム市場は非常に活況です。当社は、マンションリフォームに特化した商品を積極的に世に送り出し、ここでもシェア拡大を目指しています。

現時点での実績については、みなさまから「ちょっと弱いのではないか?」と見られているかもしれませんが、私は反転攻勢としてシェア拡大が一歩進んでいると実感しています。今後、さまざまな商品を投入することで、リフォームに関する売上をさらに伸ばせると考えていますので、ご期待いただければと思います。

小森氏からのご挨拶

小森:本日はお忙しい中、私どもの説明会にご参加いただき、ありがとうございました。拙い説明だったかもしれません。また、当業界が非常に厳しいと感じられているかもしれませんが、先ほどのショールームのデータを見ても、「これからの生活を豊かにしたい」に対するニーズは必ず存在します。そのため、リフォームに関して私は悲観的ではありません。これからもリフォームや、リニューアルしていくという意味では新築にも期待が持てる状況です。

いろいろなご意見を頂戴しながら、みなさまと対話を重ねつつ進めていきたいと思いますので、ご期待いただければ幸いです。これからもどうぞよろしくお願いします。

配信元: ログミーファイナンス

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