1. 会社概要
前澤給装工業<6485>は東京都目黒区に本社を置き、給水装置の総合メーカーとして、サドル付分水栓、止水栓、継手といった製品の製造・販売を行っている。会社指針「QSO」(Quality, Safety & Originality)『品質は人格であり、安全は協調であり、独創は改革である』に基づき、「きれいな水」「安全な水」「おいしい水」を届けることを使命に、大切な水を人々の暮らしへとつなぐ給水装置のトップメーカーとして成長してきた。近年は屋内給水・給湯配管部材や床暖房部材の製造・販売などライフラインに関わる事業まで拡大するとともに、空調設備用製品の販売も開始するなど「快適な住空間」を支える企業を目指している。2024年3月期の売上高は32,008百万円と、3期連続で最高売上を更新した。
2. 沿革
同社は1937年に前澤慶治氏が東京都中央区に上水道用諸機械器具の販売を手掛ける昭和製作所(同社グループの祖)として創業し、戦後、前澤バルブ工業(株)(現 前澤工業<6489>)として株式会社に改組した。その後、高まる水道インフラ需要に合わせて事業領域を分け、同社や前澤化成工業<7925>を分社化した。主に上水道末端の給水装置を専門に扱う同社は、1957年に東京水道工業(株)として独立、1965年に現社名に商号を変更した。
その後は、工場建設や物流センター開設等を積極的に進めて全国展開を行い、1991年に株式を日本証券業協会に店頭登録、1998年に東京証券取引所(以下、東証)市場第2部に上場、2005年には同市場第1部に銘柄指定を行い、2022年4月の同市場区分再編に伴いプライム市場へ移行した(2023年10月にスタンダード市場に移行)。同社が成長ドライバーとしている住宅・建築設備事業では、2020年3月に住商メタレックス(株)の床暖房事業(前澤リビング・ソリューションズ(株))を承継した後、グループ間の効率化促進による収益基盤の強化を目的に2023年4月に吸収合併した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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