［東京　１０日　ロイター］　
オリンパス(7733.T: 株価, ニュース, レポート)は１０日、２０１０年３月期の連結業績予想について、売上高を前年比８．２％減の９０００億円に下方修正すると発表した。従来予想は９２００億円。

　デジタルカメラ販売で低価格機の比率が上昇し、全体の販売単価が下落傾向にあることを織り込んだ。ただ、営業利益予想は、デジカメ部門や医療機器部門のコスト削減を進めることで、従来予想である同７０．６％増の５９０億円を据え置いた。

　営業利益予想は、トムソン・ロイター・エスティメーツによる主要アナリスト１０人の予測平均値６１８億円を下回っている。当期純損益予想は、為替差損や税負担を見直して従来予想の４００億円の黒字から４６０億円の黒字（前年同期１１４８億円の赤字）に上方修正した。１―３月期の想定為替レートは１ドル８５円、１ユーロ１２５円（通期で１ドル９１円、１ユーロ１３１円）とした。　

　同日発表した０９年４―１２月期連結業績は、売上高が前年比１３．６％減の６５１９億円、営業利益が同５０．４％増の４５０億円だった。円高の影響やデジカメの単価下落のほか、前年８月に分析機事業を売却したことで減収となったが、デジカメ部門や内視鏡部門の経費抑制・原価低減が寄与して増益だった。４―１２月期の売上高に占める海外比率は５８．９％（同６６．６％）まで下がった。

　１０―１２月期のデジタルカメラ販売は２８５万台（同２６０万台）で、うち一眼レフは１６万台（同１０万台）だった。デジカメ全体で前年を上回り、昨年７月に発売した小型・軽量の一眼レフ「ペン」シリーズの効果で一眼レフの販売は４半期ベースで過去最高だった。４―１２月期累計は６６５万台（同７８５万台）、うち一眼レフが４１万台（同３５万台）となった。通期計画は９８０万台（同１０００万台）、うち一眼レフは５５万台（同４０万台）。今期は、デジカメ全体の販売は伸び悩むが「ペン」を中心に一眼レフを伸ばす計画。

　ただ、デジカメの単価は下落傾向にあり、映像機器事業の１０年３月期の売上高予想は１８００億円（同２２４４億円）になる見込み。従来計画より１００億円下方修正した。記者会見した川又洋伸取締役は「デジカメは（想定よりも）価格の低い初心者モデルの構成比が増えている」ことを指摘した。売上げの落ち込みはコスト削減でカバーし、営業損益は５０億円の黒字（同５１億円の赤字）を計画する。