~プレミアム会員を軸としたサブスク型ビジネスモデルへ一新~
【ポイント】
・プレミアム会員の純増が計画を下回っている。前4Q以降のオミクロン株の影響で、店舗への会員集客が制約を受けた。新規会員の獲得に向けて、「Key Station」、「友の会」、「くらしのデジタル館」など、新しい展開を始め、インサイドセールスの強化に向けて、デジタルライフプランナーの会員訪問も強化しているが、成果はまだ十分でない。
・実際、地域の新聞や情報紙を利用した広告宣伝に力を入れつつ、その効果を測っている。デジタル生活の情報発信とコミュニケーションの拠点となる「横濱Key Station」が7月から稼働した。新本社に併設する新たな価値創造のステーションとして、プレミアム会員家族やその紹介に対して、リアルなプレイスに招いたり、スタジオから会員向けネット放送を実施したりすることで、会員獲得とインサイドセールスの拡大を図っていく。
・今年2月にスタートした新本社のワークプレイスは画期的で、最先端のアイディアを盛り込んでいる。前期の投資額は45億円に拡大した。店舗のリノベーションに加えて、本社移転を契機とした横濱Key Stationの設備、軽井沢でのワーケーション施設の取得などに投資したが、今期は通常の投資水準(16億円)に戻っている。
・2021年5月から独自のサブスクリプションモデルへの完全移行をスタートさせた。すでに10年かけてプレミアム会員中心の事業へシフトしてきた。広義のサブスク会員は2021年年3月末で45万人(ARPU3500円)、そのうちデジタル担当が付いているプレミアム会員(NCS)は同9.7万人(同8053円)であったが、今年9月末のNCSは12.1万人(同8205円)へ増加した。今後も、人材の増強と広告宣伝に先行投資を継続する。
・前期より会員シフトを強化しているので、一般顧客向けの商品販売が大きく減少し、先行投資もあって、今2023年3月期の営業利益は横ばい圏に留まろう。NCSの増加が計画通りに進むにはもう少し時間を要しよう。
・既に売上の50%はサブスク型であるが、これを3~5年で80%まで高める計画である。新しいビジネスモデルへの転換は先進的でユニークである。来期もトライアルが続くが、新規加入が増えてくるにつれて、収益性は以前より向上してこよう。
目次
1.新ビジネスモデル 独自のサブスク型へフルモデルチェンジ
2.特色 インターネットデバイスのサービス専門店へ転換
3.強み サービス収入主力の収益構造へシフト
4.今後の展開 メンバー(会員)との結びつきを強化し、関係人口作りへ
5.当面の業績 NCS(ニューカスタマーサクセス)会員の獲得に向け先行投資
6.企業評価 NCSの新規加入増に向けて、攻めの局面
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2022年12月9日) |
273円 |
時価総額 | 144億円 (52.622百万株) |
PBR | 0.52倍 |
ROE | 3.4% |
PER | 15.3倍 |
配当利回り | 5.1% |
総資産 | 37951百万円 |
純資産 | 26229百万円 |
自己資本比率 | 69.0% |
BPS | 523.5円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2014.3 | 53772 | 2256 | 2357 | 1536 | 38.0 | 4.7 |
2015.3 | 51261 | 3045 | 3162 | 1914 | 42.0 | 6.9 |
2016.3 | 51729 | 4086 | 4139 | 2693 | 56.9 | 9.6 |
2017.3 | 46417 | 3402 | 3467 | 2269 | 44.1 | 13.0 |
2018.3 | 43590 | 2981 | 3079 | 1958 | 38.6 | 13.0 |
2019.3 | 40447 | 2579 | 2685 | 1553 | 30.9 | 13.0 |
2020.3 | 39137 | 2941 | 3018 | 1718 | 34.2 | 13.0 |
2021.3 | 38312 | 2893 | 2935 | 1854 | 36.8 | 13.5 |
2022.3 | 33024 | 1451 | 1519 | 765 | 15.2 | 14.0 |
2023.3(予) | 31000 | 1500 | 1500 | 900 | 17.8 | 14.0 |
2024.3(予) | 33000 | 2000 | 2000 | 1200 | 23.7 | 14.0 |
(2022.9ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。2013年10月に1:100、2015年1月に1:1.5、2016年10月に1:1.2の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当については修正ベース。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/pcdepo202212.pdf
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