1. 会社概要
サカタインクス<4633>は1896年創業以来120年以上の歴史を誇る世界3位の大手印刷インキメーカーである。印刷インキ事業をコアとして、120年以上の歴史の中で培われた環境配慮型高機能・高付加価値製品の開発力・品ぞろえ・高シェア、製品の高い信頼性・品質力を強みとしている。さらにビジネステーマである「ビジュアル・コミュニケーション・テクノロジーの創造」に向けて、インキの開発・生産で培ってきた基盤技術を機能性材料事業に応用展開し、新たな事業の柱の育成も目指している。
2. 沿革
同社は1896年、個人商店の阪田インキ製造所として大阪市で創業し、新聞インキの製造・販売を開始した。1911年には日本で初めて亜麻仁油製印刷インキ用ワニスの工業化に成功した。
1920年に株式会社組織に改組し、1961年に大阪証券取引所市場第2部に上場、1962年に同市場第1部に指定替え、1987年に商号をサカタインクス株式会社に改称し、1988年に東京証券取引所市場第1部に上場した。そして2016年11月に創業120周年を迎えた。
海外展開は、1960年フィリピン(マニラ市)に初の海外駐在所を開設し、以降順次、海外主要拠点に現地法人を設立している。
2017年1月には大阪市女性活躍リーディングカンパニーの認証を取得した。また同年12月には国内の主力4工場(東京、大阪、滋賀、羽生)においてTPMアドバンスト特別賞を受賞した。TPM(Total Productive Maintenance=全員参加の生産保全)は、(公社)日本プラントメンテナンス協会によって提唱されたもので、同社の革新的生産方式の構築と海外への展開などが高く評価された。また「設備保証度の向上」についての論文がTPM優秀論文賞プロダクション部門第2席を受賞した。
3. グローバル展開
同社は、パッケージ印刷用インキ(フレキソインキ、グラビアインキ、メタルインキ)及び紙媒体印刷用インキ(新聞インキ、オフセットインキ)を製造・販売する印刷インキ事業を主力として、印刷関連機材事業、機能性材料事業、その他事業を展開している。
グループ(2018年12月期末時点)は、同社、連結子会社23社、持分法適用関連会社6社、及び非連結子会社3社で構成され、日本及び海外合わせて18の国・地域に印刷用インキ製造・販売拠点を展開している。2019年12月期から、タイのETERNAL SAKATA INX CO., LTD.(エターナル)、及びブラジルのCREATIVE INDUSTRIA E COMERCIO LTDA.(クリエイティブ)を連結対象とした。なお同社から分離独立した電子部品輸出入・EMS事業のシークス<7613>は持分法適用関連会社である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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