ムサシ<7521>の2024年3月期の業績は、売上高35,402百万円(前期比4.5%減)、営業利益539百万円(同%79.4減)、経常利益581百万円(同78.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益302百万円(同82.9%減)と予想されている。大幅減益予想だが、大型国政選挙がないと言う前提なので、想定内と言える。反対に、期中に衆議院の解散・総選挙が行われた場合には、売上高は25億円以上が上乗せされ、利益予想も上方修正される可能性は高いだろう。
連結セグメント別売上高は、情報・印刷・産業システム機材が20,815百万円(前期比0.8%増)、金融汎用・選挙システム機材が5,016百万円(同30.1%減)、紙・紙加工品が9,314百万円(同3.8%増)、不動産賃貸・リース事業等が256百万円(同5.2%減)と予想されている。設備投資額は443百万円(前期225百万円)、減価償却費435百万円(同411百万円)となる予定である。
サブセグメント別(単体ベース)の見通しでは、情報・産業システム機材の売上高は8,900百万円(同2.2%増)と増収予想だが、注力しているメディアコンバート事業は売上高は6,094百万円(同2.3%増)が見込まれている。引き続き伸長が見込まれるが、売上高の水準が高くなったことから伸び率は低下する予想である。印刷システム機材では、前期の反動もあり、売上高は8,960百万円(同2.0%減)を見込んでいる。
主力の選挙システム機材では、通年で大型の国政選挙がないことから売上高は2,800百万円(同52.3%減)と大幅減収が予想されている。金融汎用システム機材では、2024年に新紙幣が発行されることから、下期には新紙幣関連の需要が立ち上がる見込みで、売上高は2,040百万円(同72.7%増)を見込んでいる。紙・紙加工品については、堅調な需要が見込まれる紙器用板紙の拡販に注力することで増収を確保し、売上高は5,300百万円(同1.3%増)を見込んでいる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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