デイトナ<7228>には「商品計画」「開発体制」「物流体制」「販売ネット」の4つの強みがある。
1. 商品計画
同社は、顧客ニーズに合わせた幅広い商品を提供するため、オリジナル開発の商品、OEM商品、海外輸入品の3系統の商品計画を取っている。また、独自の企画力、開発力を発揮し世界のバイクライダーのニーズに対応する商品・サービスを提供することで、世界で最も支持されるブランドを目指している。一例を挙げると、同社の商品であるアクセサリー電源ユニット「D-UNIT WR(ウォーターレジスタント)」が、日刊自動車新聞社主催の「用品大賞2021※」で二輪車部門賞を受賞した。「D-UNIT WR」は3系統のアクセサリー電源をコンパクトに取り出せるユニットで、主電源をバッテリーから直接取り出すことにより、3系統合計20Aの高出力を実現している。近年、バイクにドライブレコーダー、ナビゲーション、USB電源、グリップヒーターなどを装備する事例が増えていることから、「D-UNIT WR」は顧客のニーズに合致した商品と言える。なお、「D-UNIT WR」は防水設計なので雨に強く、コンパクトで設置場所を選ばないことから、バイクのツーリングのみならず様々なアウトドアシーンにも転用できるユニークな商品である。また、8月には静岡県田方郡函南町の「バイカーズパラダイス南箱根」において、オートバイ専用ドライブレコーダーの新商品「Mio MiVue M820WD」の新商品発表会を開催した。同商品はスマホで快適操作できる超小型ドライブレコーダーであり、前後カメラにソニー製の高感度Starvis(TM)CMOSイメージセンサーを使用している高機能製品で、発表会当日は盛況だったようである。
※2020年4月~2021年6月に発表、または発売し、注目を集めたカー&バイク用品に与えられる賞。販売数量のみならず、アイデアや話題性、業界貢献度、社会状況なども鑑み、総合的に評価されたもの。
なお、同社は「開発会員制度」という仕組みを導入している。これは実際に同社商品を使用しているライダーから、使い心地や感想、また「こうしたらもっと良くなる」といった改善点まで広く意見を聞き、商品開発や企画に反映させるユーザー参加型のシステムである。貴重な「ライダーの生の声」を聞くことでニーズの高い商品開発につなげている。
2. 開発体制
本社敷地内には、全長750mのロードテストコースのほか、シャーシダイナモとエンジンベンチを備えた計測棟を付設している。これにより確実な性能評価が行え、安全な商品の提供を可能としている。
また、社員には制服がなく、自由な社風のなかでバイクの楽しさを追求できる一方、規律あるクリエーター集団としての性格が強い。このような環境のもとバイクの楽しみ方を発想し、それが原点となり商品開発を支えていると推察できる。社員がバイクを熟知したライダー集団であると同時に、ユーザーに必要とされる商品を形にするための議論と試作を展開させ、自社テストコースで試乗することで商品化を進めている。
3. 物流体制及び販売ネット
本社内物流倉庫では、すべての物流管理がトータル運営され、正確でスピーディーな物流ネットワークを確立している。流通倉庫内はロケーションを管理し、人の動きの無駄をなくした効率的なピッキングで出荷誤差ゼロを実現している。
販売ネットは、グループ企業のライダーズ・サポート・カンパニーが運営する「ライコランド」27店舗をはじめ、日本全国に約4,000店のバイクショップ・用品ショップの販売ネットワークが構築されている。また海外では、北米、ヨーロッパ、アセアン地域でディストリビューターネットワークを拡大中である。同社のホストコンピュータとダイレクトに連携し、在庫照会、発注、発注履歴、出荷履歴、バックオーダーの確認などがリアルタイムに行えるシステムを構築している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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