二輪車業界では、二輪車が公共交通機関に代わる通勤手段として注目を集めており、免許取得者の増加とともに、軽二輪、小型二輪クラスを中心に車両販売も好調に推移している。実際、(一社)全国軽自動車協会連合会が発表した2021年の小型二輪新車販売台数は前年比1.2倍の83,571台、2022年についても1~7月累計で前年同期比1.2倍の59,200台と好調が続いている。また、警察庁が公表している「運転免許統計」によると、2021年の大型二輪の運転免許証交付件数(併記のみ)は93,262件と、4年連続の増加、1998年(92,635台)以来の9万件突破となった。また、普通二輪の運転免許証交付件数(併記のみ)は191,606件と、前年比17.6%増となった。
新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に伴う移動手段の変化により免許取得者が増加していることに加え、長年エンジンをかけていなかったバイクに再び乗ろうとするリターンライダーが増加基調にあるなど、二輪車の需要は引き続き強い。また、二輪車は「3密」を回避できるアウトドアレジャーとしても需要が高まっている。コロナ禍によって特需が発生した側面はあるものの、生涯楽しめるレジャーとして定着する公算は高いと思われる。
ライダーの年齢層も拡大しているようで、ダートフリークが展開するインターネットサイトの主要顧客層は、これまでの50代だけでなく、20代の割合も増えている。また、ユーザーの一部は、部品の調達先やメンテナンス先として、用品店やインターネット通販を通じた購買や、動画サイトを参考に自らの手によるメンテナンスなど、販売店を経由しない新たな購買行動を選択している。これに対し同社では、YouTubeでの情報発信によってファンへ訴求している。2012年3月より公式チャンネル「デイトナチャンネル_DAYTONA Channel」でパーツの紹介や取り付け方の動画を配信しているほか、2020年11月より「デイトナ! ライド ア バイク!! DAYTONA RIDE A BIKE」でバイク初心者にも分かりやすい情報を発信している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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