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2023/12/22 - ミアヘルサ(7129) の関連ニュース。 目次青木友紀氏(以下、青木):ミアヘルサ株式会社執行役員・保育事業本部長の青木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。本日ご説明する内容はスライドのとおりです。「保育事業について詳しく

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【QAあり】ミアヘルサHD、2Qは増収増益 保育事業の市場規模は拡大中、子会社のライフサポートを2024年4月に吸収合併予定

投稿:2023/12/22 17:00

目次

青木友紀氏(以下、青木):ミアヘルサ株式会社執行役員・保育事業本部長の青木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

本日ご説明する内容はスライドのとおりです。「保育事業について詳しく説明してほしい」とのご要望をいただくことがありましたので、保育・児童育成事業を中心にお話ししたいと思います。

会社概要

青木:会社概要です。ミアヘルサホールディングスは、ミアヘルサの株式移転によって2021年10月に設立されました。現在は、東京証券取引所スタンダード市場へ上場しています。取締役会長は創業者の青木勇、代表取締役社長は青木文恵です。

主な事業内容は、医薬事業、介護事業、保育事業で、その他には食品事業にも取り組んでいます。グループ会社はミアヘルサとライフサポート、2023年4月現在の従業員数は2,695名、本社所在地は東京都新宿区です。

ミアヘルサグループの理念

青木:ミアヘルサグループでは、創業の精神、経営理念、ミッション、ビジョン、人事理念、8つの行動指針を大切にしています。後ほど詳しくご説明しますが、「従業員は会社の根幹であり、最大の財産」という人事理念が、保育事業を始めるきっかけになっています。

スライド右側の行動指針は、職員からの発案によって決めた内容です。また、社名である「ミアヘルサ」は、福祉先進国スウェーデンの言葉で「もっと健康に」を意味し、こちらも社員の公募により選んだ言葉です。

経営理念と保育事業の理念

青木:経営理念は「私が変わる、愛の経営『響働』」で、当社設立前の創業当時から50年間ずっと変わっていません。

そちらをもとに、「共に育ち、ひびき合う」という保育事業の理念を公募で決めました。お子さまを健やかに保育し保護者を支援することを前提に、職員や事業所も共に育ち、お子さまを中心につながり合う一人ひとりを大切にしながら、思いやりと笑顔にあふれることを地域全体に広げていきたいという意味を持っています。

また、保育理念と保育園名の「ミアヘルサ保育園ひびき」は、経営理念である「響働」の「響く」という文字から引用しています。

ミアヘルサグループの未来ビジョン

青木:ミアヘルサグループの未来ビジョンは、「地域包括ケアシステム」を推進し、健康・安心・絆のライフラインを構築することです。地域包括ケアシステムとは、住まい、医療、介護、予防、生活支援などの必要なサービスを地域の中で一体的に提供できる体制のことを指し、こちらは介護用語になります。

ミアヘルサグループでは、薬局・介護・食品等に加え、幅広い子育て支援のサービスを全世代へ向けて提供し、明るく幸せに暮らしていける未来ビジョンを描いています。

ミアヘルサ保育事業の沿革

青木:保育事業の沿革です。前身である給食普及会は1966年に創業し、当時は学校給食の食材卸から始まりました。その後、注文数が減ってきたことで少子高齢化社会の兆しを肌で感じた創業者は、社会貢献と課題解決のできる事業に取り組もうと考えました。

そして、1984年に「日本生科学研究所」の名で今のミアヘルサが設立されました。その後、医薬事業と介護事業を段階的に立ち上げています。職員が増えていく中で「仕事中に安心して預けられる託児所があるとよいのでは」というアイデアがきっかけで始まったのが、保育事業です。

認可保育園を新規開園していく中で、2021年にライフサポートを完全子会社化しています。ライフサポートはミアヘルサが事業展開してこなかった学童や病後児保育なども運営していましたので、当社の子育て支援の対応領域を広げています。このことが、先ほどの子育て版の地域包括ケアの実現に大きく寄与しています。

坂本慎太郎氏(以下、坂本):2024年4月にライフサポートを吸収合併する予定とのことですが、この合併で御社の保育事業が得られるメリットについて教えてください。

青木:合併によって、経営資源の有効活用、業務効率化による収益性向上、事業基盤の強化を図りたいと考えています。

環境の変化 と 当社事業の変遷

青木:環境の変化に対する当社事業の変遷についてです。当社は、1984年に医薬分業が進むとともに調剤薬局を、2000年の介護保険制度の開始に合わせて介護事業を開始しています。2010年には、待機児童問題の顕在化により株式会社が保育園を運営できるという規制緩和がなされ、当社も2011年に保育事業を開始しました。

医薬と介護、介護と保育、保育と医薬の2事業を組み合わせている会社は他にもありますが、3事業を一体化して運営しているところは他にはなく、当社の最大の強みとなっています。

これにより、自治体やUR都市機構、鉄道会社に対して非常に優位に提案できるため、街づくりなどの大型プロジェクトにも参入することができました。難しいと言われてきた地域包括ケアが、これらの大型プロジェクトによって、着実に具現化してきています。

そして現在では、就学後の子どもの居場所問題に取り組む児童育成事業も展開しています。このように、ミアヘルサグループは時代の環境変化や行政制度や指針の変化とともに、事業を拡大しています。

組織体制・事業展開・施設名

青木:組織体制と事業展開についてご説明します。医薬事業には、調剤薬局の「日生薬局」と「ミアヘルサ薬局」があります。出店店舗のうちの6割が高度医療を扱う大学病院の門前薬局であり、1枚の処方箋単価が高いところが特徴です。厚生労働省の2021年度の公表によると全国平均は9,648円ですが、当社は直近で1万4,400円となっています。

「ドラッグストアが脅威ではないですか?」と質問を受けることもありますが、単価がまったく違いますのでそれほど大きな脅威だとは思っていません。残りの4割は、利益率の高い医療モールと街中の薬局に出店しています。

介護事業は、介護サービスを受けられる高齢者住宅やホスピス対応型ホーム、訪問型介護などを「ミアヘルサケア」として運営しています。行政と民間が協力し合って地域包括ケアを推進したことで、国土交通省により官民協働のモデル事業に選定され、海外からの視察や問い合わせが多い部門となっています。

保育事業は、ミアヘルサでは「ミアヘルサ保育園ひびき」、子会社のライフサポートでは「ゆらりん保育園」という名前で展開しています。その他の事業は、スライドに記載の施設名で運営をしています。

ミアヘルサグループのサービス提供の対象者範囲

青木:ミアヘルサグループがサービスを提供する対象者についてです。赤ちゃんが生まれる前のご家庭からご高齢者まで、全世代を幅広くカバーしています。

ミアヘルサグループの事業拠点(197拠点)

青木:ミアヘルサグループ全体の事業所数は197拠点です。首都圏を中心に集中投資をしており、東京・千葉・神奈川・埼玉に展開しています。

そのうち80拠点が、保育・子育て支援サービスの事業所です。地域密着型の子育て支援を強化しながら、「地域包括ケアシステムを推進し、社会を明るく元気にします」というビジョンを推し進めています。

子育て支援サービスの事業拠点(80 拠点)

青木:スライドの地図は、子育て支援サービスの事業拠点のみを記載したものです。

ミアヘルサグループの基本方針

青木:子育て支援事業の市場機会についてです。まずは、ミアヘルサグループの基本方針をご説明します。

中期経営計画の基本方針は「市場機会を活かし、少子高齢化社会に必要な街づくりに向けて、保育・医薬・介護事業の機能連携により『生涯を支える地域包括ケア』を展開する」としています。

この基本方針に沿って、2つのテーマを掲げています。1つ目は「計画達成に向けて、営業力の強化に一致団結して取り組み、『子育て支援』と『高齢者支援』という国の2大国策を展開する」、2つ目は「顧客目線で、保育・医薬・介護事業の連携を図り、利用者様満足に応え、地域No.1を目指す」です。

これらを保育事業に置き換えると、1つ目の営業力の強化は、公募への積極参加や採用強化などにあたります。2つ目の顧客目線は、保育の質向上や保護者への満足に応えていくことになります。

荒井沙織氏(以下、荒井):国策としての子育て支援や、医療・介護の一体改革などが御社に及ぼす影響は、どの程度の規模や範囲になりそうか教えてください。

青木:保育・介護・医薬を一体的に行うところが当社最大の強みで、年々拡大していく関連予算に対しての対応が可能となっており、国策の影響については「追い風」だと考えています。

保育事業の市場機会

青木:保育事業の市場機会についてです。待機児童は解消傾向にあるものの、スライド左側のグラフのように働く女性は増えてきています。また、スライド右側のグラフのように、保育園・託児所の市場規模も拡大してきています。

特に、首都圏における保育のニーズは高い水準で推移しています。加えて、2年から3年ほど前からは公立保育園や学童クラブの民間委託や民営化が推進されていますので、今後もこのような開発案件が増えていくと予想しています。

坂本:まだ不足している地域もあるかもしれませんが、待機児童問題は都市部を中心にかなり解決してきていると思います。この状況が御社の保育事業へ及ぼす影響について教えてください。

青木:待機児童がどんどん解消していくことは、世の中にとって非常によいことです。待機児童がまったくいなくなれば当社への影響は出てくると思いますが、実はまだまだ待機児童が解消されていないエリアがあります。また、東京都を中心にニーズが高いエリアに今後も注力していきたいと考えています。

坂本:エリアへの展開が完了した後は児童数の充足問題が出てくると思います。そちらについて、御社ではすでに問題になっていますか? まだ大丈夫な状況ですか?

青木:児童が定員の8割を切ってしまうことが問題視されていますが、当社は全体でまだ8割を切っていません。

坂本:今のところはまったく問題ないということですね。

こども家庭庁の発足

青木:2023年4月にこども家庭庁が発足し、さまざまな子育て支援策が検討されています。

スライドには、こども家庭庁の組織体制図を掲載しました。保育所や認定こども園の整備、学童や子どもの居場所の整備、障がい児への支援など、ミアヘルサグループの事業に直結する取り組みが示されていることがわかります。

「こども未来戦略方針」 - 子ども・子育て支援加速プラン -

青木:2023年6月に出された「こども未来戦略方針」では、今後3ヶ年での具体的な施策が示されています。

1つ目は「若い世代の所得向上に向けた取り組み」、2つ目は「社会全体の構造・意識を変える/共働き・共育ての推進」、3つ目は「全ての子ども・子育て世帯を対象とする支援の拡充」で、これらに加えて各施策の拡充が検討されます。

この少子化対策では、既存の予算額に上乗せするかたちで3ヶ年で約3兆円という巨額な追加予算が提示されており、当社の保育事業にとっても成長の機会であると捉えています。

保育・児童育成の事業拠点(80 拠点)

青木:保育・児童育成事業についてご説明します。80拠点の内訳は、大きく保育事業と児童育成事業に分けることができます。

坂本:この図を見ると、神奈川県も含まれているものの、ほぼ東京近郊でドミナント出店をされています。関西や東海圏などへの進出はお考えでしょうか?

青木:非常にうれしいことに、関東以外にも関西などでご要望をいただいています。社会貢献のためにも検討はしていますが、当社はドミナント戦略が最も強みを発揮しやすいと考えています。そのため現段階では、ニーズの高い首都圏に集中投資してサービスを掘り下げていく予定です。

保育事業 (ミアヘルサ + ライフサポート合計68園)

青木:保育事業における施設はグループ全体で68園あり、9割以上が安定性の高い認可保育園や公設民営保育園、指定管理・受託運営施設となっています。

主な特徴は4つあります。1つ目は、少子化対策の一環として保育料無償化などがありましたが、こちらは当社にとってマイナスではなく、助成金が増加することでプラスに働いています。2つ目は、首都圏では待機児童の減少以上に女性の就業率が向上しているため、保育および子育て支援のニーズが依然として高いことです。

3つ目は、認可保育園は自治体が園児を募集するため、集客コストがかからないことです。4つ目は、当社は保育園の開設に必須である保育士の安定確保ができているため、採用費を抑制できていることです。

児童育成事業 (学童クラブ・放課後子ども教室)

青木:児童育成事業では12施設の学童を運営しており、主な特徴は3つあります。1つ目は、後ほど詳細をご説明する「小1の壁」問題によって、特に10歳以下の低中学年での学童ニーズが高いことです。

2つ目は、小学校校舎を使用するなど自治体からの委託事業のため、初期コストがほとんどかからないことです。3つ目は、認可保育園と同様に学童も自治体が児童を募集するため、集客コストがかからないことです。

「小1の壁」問題

青木:「小1の壁」問題についてご説明します。保育園では子どもを夜まで預けられますが、小学校では夕方前に下校時間を迎えます。そのため、子どもが保育園を卒園して小学校に通い始めると保護者の就業時間と合わなくなり、仕事と子育ての両立が難しくなります。これにより、仕事の継続を断念してしまう保護者が問題視されたり、子どもの居場所作りの必要性が叫ばれたりしています。

その中でも当社グループが運営する学童は最大21時まで開所しているため、保護者は早退や退職などをすることなく、安心して子どもを預けることができます。

ニーズが広がる民営学童施設

青木:民間企業が運営する学童の利用者数は、近年増加しています。こども家庭庁の資料によると、2023年5月時点で公立と民間事業者合わせた利用者数は144万5,459人と、前年比で3.8パーセント増えています。

希望しながらも利用できなかった待機児童は、スライド上部の折れ線グラフのとおり全国に1万6,825人と、前年比で10.8パーセント増えています。施設数は過去5年間で約3割増えており、そのうち東京都は2017年から1.5倍に増えています。

こちらは、共働き世帯が増えてきたことや学習塾や習い事などを併設した学童へのニーズが高まっていること、人手不足により民間に委託するケースが出てきたためです。需要の高まりに施設整備が追いついていない状況にあるため、今後も開設案件が見込まれます。

地域子育て支援 (港区エリア) - 子育て版「地域包括ケア」1 -

青木:地域子育て支援の事例をご紹介します。港区エリアでは、認可保育園・保育室、認証保育園、子育て相談のできる子育てひろば、病後に預けられる病後児保育室、就学が始まったお子さまには学童クラブをご利用いただいています。

このように、1つの地域でさまざまなサービスが受けられる体制になっています。

地域子育て支援 (港区エリア) - 子育て版「地域包括ケア」1 -

青木:スライドの地図のとおり、港区だけでも19施設を集中的に展開し、子育て支援に特化した地域密着型の地域包括ケアを実現しています。

スライド右下の写真は、先日開催された品川区のハロウィンイベントの様子です。認知拡大を目的に、地域事業者として来場者1,700名ほどのイベントに参加しました。出展内容は、子育て広場で行っている紙芝居やハロウィンの写真撮影スポットの展示です。これらを通し、地域の方とのコミュニケーションを図りました。

イベント中に子育て世代の方にお声がけしたところ、すでにほとんどの方が当社の保育施設をご存知で、非常に認知度が高く、地域に親しみをいただいていることが実感できたイベントとなりました。なお港区は、約6店舗の薬局と介護事業も展開している自治体です。

地域子育て支援 (新小岩エリア) - 子育て版「地域包括ケア」2 -

青木:子育て版「地域包括ケア」のもう1つの事例として、新小岩エリアの「びゅうリエット新小岩」をご紹介します。新小岩駅南口の再開発エリアにある大規模複合施設の中で、認可保育園、子育てひろば、介護と住まいの相談窓口、地域の交流ホールの運営を行っています。

上の階は賃貸マンションになっているため、そこからご利用される住民の方もいらっしゃいます。ホールが非常に広く、葛飾区内の系列園の園児が来園することもあるなど、こちらで地域交流を図っています。

坂本:御社が非常に得意とされているパターンであり、保育園から介護などに取り組まれているため、このようなサービスが一括で提供できていると思います。今回は特に、駅が近いこともあり行政との連携になっているのだと思いますが、他の自治体からも「このような取り組みをうちでも実施してください」というお話はきているのでしょうか?

青木:同時進行でお話をいただいたり、すでに実績のある自治体から新たな案件があった際にお声がけいただいたりしています。

ミアヘルサグループ内 事業部連携(例)

青木:当社グループの保育事業部と他事業部間の連携についてです。

スライド左側は医薬事業との連携事例で、同じ建物内に調剤薬局と保育園を一体化しています。初めての子育てで不安を感じている保護者のお子さまが発熱した際、保護者や保育士から薬剤師に直接お薬の相談ができたり、保育園のお迎えのついでに薬局に立ち寄ったりすることができるため、多忙な保護者からご好評いただいています。

スライド右側の写真は「日生薬局公式LINE」でお薬に関する動画配信などを行っている様子です。コロナ禍の際には、消毒液の濃度や手洗いの方法、抗体検査キットなどの情報を保育園に共有し、非常に活躍しました。

介護事業との連携としては、介護施設で保育園児がダンスを披露するなど、多世代交流を促進しています。都心部では核家族化が進んでいるため、お子さま側からは豊かな心を育む情操教育として反響があり、高齢者側は元気をもらえるというかたちで、相乗効果が生まれることを期待して実施しています。

各園の取り組み(一例)

青木:各園の取り組みについても触れたいと思います。全園で共通している取り組みは、ICT化と食育です。ICT化では、保護者へのご連絡や登園・降園管理などをアプリで対応し、本部とも24時間365日つながっています。そのほか、Web会議と会場会議の併用や、さまざまな国籍の方々がいらっしゃるため翻訳機も用意しています。

スライド中央に記載しているのは、食育の写真です。素材を見て触るほか、苗から育てたものを食べることで食材について学ぶなど、食に関心を持ってもらうような食育を行っています。幼児を対象とした食育キャンペーンでの食育シンポジウムにて、厚生労働省の大臣賞を受賞しました。

さらには、スライド右側の写真のように、地域の需要に応じて体操やダンス、サッカー、リトミック、英語などを取り入れています。

2024年3月期第2四半期 決算概要

青木:2024年3月期第2四半期決算についてご説明します。まずは全社の決算概要です。

売上高は前期比プラス0.6パーセント、営業利益は前期比プラス236.5パーセントの増収増益となりました。売上増の主な要因は、医薬事業が薬価改定の影響を受けたものの、既存店舗の処方箋枚数が順調に回復したことです。保育事業では、今年4月に開設した認可保育園3園の園児数の増加が寄与しました。

営業利益に関して、保育事業では今年3月に認証保育園の不採算事業を閉鎖し、効率化を図っています。

特別損失は2つです。1つ目は、介護事業の不採算事業所であるデイサービスの閉鎖に伴い、契約解除に係る解約違約金を4,000万円ほど計上しています。2つ目は、ライフサポートにて、指定管理料の一部返還に係る補助金返還損を1,700万円ほど計上しています。

坂本:介護事業における不採算事業所の閉鎖について教えてください。コロナ禍での通所介護は比較的厳しい部分があったかと思いますが、コロナ禍が終わってもなかなか戻っていないのでしょうか?

青木:第2四半期までは比較的影響が残り厳しい状況でしたが、秋口からは徐々に改善しています。営業が厳しかった部分として、例えばデイサービスだけではなく病院にも営業が出入りできない状況がありましたが、現在は落ち着いて出入りできるようになったため、入居率も改善してきています。

坂本:残っているところは、それなりに戻ってきているということですね。

セグメント売上高・セグメント利益(前年同期比)

青木:セグメント別の売上高と利益についてご説明します。医薬事業と保育事業が増収増益を果たし、全体に貢献しています。

医薬事業は、既存店舗の回復と前年度に新規店舗を出店したことにより、KPIである処方箋枚数が増加しました。介護事業は、KPIである利用者数と入居率が減少して厳しい状況でしたが、先ほどもお伝えしたとおり改善基調にあります。

セグメント利益としては、今年8月に千葉県流山市にホスピス対応型ホームを開設しており、こちらの先行投資が4,000万円ほど生じています。

保育事業 業績(前年同期比)

青木:保育事業の業績についてです。売上高は前期比プラス1.8パーセント、営業利益は前期比プラス19.7パーセントの増収増益となっています。

園児数は前年同期比プラス4パーセントと順調に伸びています。セグメント利益率もプラス0.8パーセントで、不採算であった認証保育園の閉園や間接コスト削減の効果が出始めています。

園児数の推移

青木:保育事業の主なKPIである園児数の推移です。スライドの棒グラフのうち、緑色がミアヘルサ、オレンジ色が2020年に子会社化した東昇商事、紫色が2021年に子会社化したライフサポートを表しています。

コロナ禍でも減少することなく急増しており、事業を始めた当初から一貫して右肩上がりで増加しています。

坂本:御社はM&Aも含めて成長を続けてきていますが、さらなるM&Aをお考えでしょうか? お話しできる範囲で教えていただけたらと思います。

青木:打診はいただいていますので、当社の戦略に合った首都圏中心の企業や収支が適正である企業など、条件の良いものについては積極的に考えていきたいと思っています。

業績推移(売上高・営業利益)

青木:園児数の増加に伴い、売上高も成長しています。営業利益においては、初期投資の多い年や子会社化をした年などはその後いったん下がっていますが、経費や人員配置など運営の見直しによって回復基調にあります。今後も効率化を推し進め、改善を図っていきます。

2024年3月期 業績予想(セグメント別)

青木:スライドの円グラフは、セグメント別の売上高と利益の構成を示しています。当社は医薬・介護・保育の3事業があり、互いに補完し合って環境の変化に対応していくことを特徴としています。

今期の業績予想において、売上高は保育事業と医薬事業が4割ずつ、セグメント利益は5割弱ずつになると見込んでいます。保育事業は、これまで中心事業であった医薬事業と同等の立ち位置として、医薬と保育の両輪でミアヘルサグループ全体を支えていきたいと考えています。

2024年3月期 セグメント売上高・利益(進捗状況)

青木:2024年3月期の連結業績予想と達成度です。上半期の全社進捗率は、売上高が50パーセント、セグメント利益が10.4パーセントとなっています。なお、保育事業の進捗率は、売上高が50.1パーセント、セグメント利益が53.2パーセントです。

当社の特徴として上半期の進捗率は例年低くなっていますが、期末に向けて業績予想を達成していくよう取り組んでいきます。

資本政策と株主還元方針

青木:資本政策と株主還元の方針についてです。成長投資や安定経営に向けて自己資本の充実を図り、安定的な配当を継続していきたいと考えています。

2022年に前年から5円増やして年間配当を30円としましたが、当期も期末を17円、通期で30円の配当を予定しています。自己資本比率の向上を図りながら、今後も継続して安定配当をしていきたいと考えています。

株主優待制度

青木:株主のみなさまへのお礼として、当社株式の魅力度を高めて中長期で保有していただくことを目的に株主優待制度を設けています。9月末に基準日を設け、100株以上が1,000円分、200株以上が2,000円分、300株以上が3,500円分の当社オリジナル「QUOカード」を12月に贈呈しています。こちらについても、今後も継続していく予定です。

2023年 新規開設事業所

青木:今後の取り組みについてです。今期開設した事業所は、認可保育園が3ヶ所、学童クラブが1ヶ所の4施設となります。初年度としては、おおむね順調に運営をしています。

2024年 新規開設事業所(予定)

青木:2024年に開設予定の2施設についてです。1つ目は、9月開園の認可保育園です。こちらは、2019年に新しくできた羽沢横浜国大駅のすぐ隣にある寺田倉庫との都市開発物件になります。

2つ目は、練馬区にある学童施設です。4月からの受託運営に選定され、同区内では2件目の学童運営となります。

1つ目の保育園についての動画をご覧ください。(こちらの動画の「2:19:28〜2:20:51」で視聴できます)

ここは横浜国立大学の最寄り駅でもあります。保育園はすぐ隣の複合商業施設「HAZAAR(ハザール)」の中に開設します。近隣駅は新横浜、武蔵小杉などで、新宿、渋谷、海老名にも乗り換えなしの直通で行けるアクセスの良い駅となります。

駅周辺は閑静な住宅街で子育て世代もたくさん住んでいますが、ミアヘルサ以外の保育園はまだない状態です。このように、新しく開発されていく街作りに参加しています。

こちらは正面玄関に向けて歩いているところです。外観はほとんど完成しており、駅周辺のランドマークとなる建物です。

ここには映っていないのですが、保育園にはプール、すぐ隣には公園もあり、保育環境が大変整っています。保育園はこちらの建物の2階の部分です。説明会からの入園見込み数は良好で、とても期待できる案件です。

子育て支援事業を取り巻く環境と重点施策

青木:子育て支援業界全体の課題と、それらに対する当社の取り組みについてご説明します。

保育事業については2点あります。1点目は、東京都内を中心に保育士の採用が困難な状況にあることです。こちらに対して当社は、採用ルートやグループ内での連携を強化しており、新卒の定期採用が毎年順調に進捗しています。新卒職員には研修などを行い、人材育成をしていきます。

2点目は、待機児童の解消に伴って新規公募数が減少傾向にあり、新園の開設が鈍化していることです。こちらに対して当社は、新規公募に加え子育て支援の領域を広げたことを活かし、公立保育園や学童の運営委託、民営化の受託などに取り組んでいます。

児童育成事業についても2点あります。1点目は、放課後児童支援員という資格職の採用が保育士よりも困難であることです。そちらに対しては、ライフサポートが約16年にわたる長期的な運営実績を築き上げていますので、採用ルートをさらに強化していきたいと考えています。

2点目は、学童クラブの委託案件が増加傾向にあることです。そちらに対して当社は学童の質の向上に取り組み、選ばれる施設を目指していきます。また、新規プロポーザルを獲得し、売上成長と実績を作っていきたいと思っています。

子育て支援事業(保育+学童)の今後の展開

青木:今後については「連動性のある子育て支援のトップランナーを目指し、未来をつなぐ子どもたちが健全で、伸び伸びと成長できる子育て事業を展開していく」としています。

質疑応答:国の異次元の少子化対策について

坂本:「国の異次元の少子化対策に期待することは何でしょうか?」というご質問です。

青木:当社も国の少子化対策に期待しています。提供できる子育て支援事業の幅を広げたことを活かし、ともに成長していきたいと考えています。

質疑応答:採用における当社の特徴について

坂本:「保育分野や介護分野の人材確保は、非常に難しいと思われます。採用状況や方法、他社と比べての待遇の違いなど、御社の特徴について教えてください」というご質問です。

青木:保育事業の採用については、まず圧倒的な行動数の多さが違いだと思います。採用を強化して取り組んでいるところが大きいと思います。

坂本:いろいろなフェアへの出展や、もともと採用実績のあるところとの連携を密にするなどでしょうか?

青木:おっしゃるとおりです。加えて、採用メンバーに元現場経験者が多いため人員が1名欠けただけでいかに大変であるかを理解しているため「埋めてあげたい」という思いが強く、それが行動にも出ていると思っています。

坂本:御社はドミナント戦略をされているため、極端に足りない場合は人員を回すことも対応可能だということでしょうか?

青木:そのとおりです。また、何かのタイミングで引っ越しを希望される方が、辞めずに異動できるというメリットもあります。

介護分野については、一時期は派遣スタッフを多く利用していたことがありました。しかし、保育事業の採用方法を採り入れたことで、最近は派遣スタッフの利用を少しずつ減らして改善を図っています。

質疑応答:保育事業と介護事業の利益率向上への取り組みについて

荒井:「保育事業、介護事業それぞれにおける利益率向上のための取り組みを教えてください」というご質問です。

青木:例えば、今はライフサポートとミアヘルサの双方から同じ自治体に1名ずつ担当がついて申請処理等を行っていますが、合併により担当者を1名に減らすことができ、効率化が図れます。そのようなことで改善を図っていきたいと考えています。

荒井:それはそれぞれの事業で言えるということですね。

青木:おっしゃるとおりです。

質疑応答:介護事業における今後の閉鎖予定について

坂本:「介護事業について、まだ閉鎖を予定されているところはありますか?」というご質問です。

青木:現時点での予定はありません。

質疑応答:介護施設閉鎖時の利用者の振り分けについて

坂本:「介護等の事業所を閉鎖された場合、利用者は御社の他事業所に移動するのか、他社の施設に移動するのか、どのように対応しているのでしょうか?」というご質問です。

青木:閉鎖をする場合、自社・他社問わず、利用可能な施設が近くにある場合はもちろんご紹介します。利用者にとって最も良い選択肢をご案内しながら、なるべく当社も売上を落とさないように取り組んでいます。

質疑応答:光熱費や人件費上昇への補助金について

坂本:「最近の光熱費や人件費の上昇は経営に影響があり、御社の利益を削る一因になると思いますが、補助金などによるカバーはあるのでしょうか? 事業によって変わってくるかもしれませんが、状況を教えてください」というご質問です。

青木:保育事業については、物価高騰についての補助があります。特に首都圏では手厚い助成があり、活かしています。介護事業についても、2023年10月頃から補助がつき始めています。

当日に寄せられたその他の質問と回答

当日に寄せられた質問について、時間の関係で取り上げることができなかったものを、後日企業に回答いただきましたのでご紹介します。

<質問1>

質問:現在はプライム市場の上場基準に達していないと思いますが、今後は目指していかれるのでしょうか?

回答:現在、当社が所属するスタンダード市場の上場維持基準を下回っていますので、まずは、スタンダード市場の上場維持基準を満たせるよう流通株式時価総額の増加に向けて取り組んでまいります。

<質問2>

質問:2024年度以降の新中期経営計画は、いつ頃発表する予定でしょうか?

回答:2024年5月中旬頃の発表を予定しています。

<質問3>

質問:保育事業や介護事業等の全社的なDXの取り組みと効果(収益率改善など)について教えてください。

回答:保育園では電子アプリの導入により、保護者との連絡や登降園などの記録を一括管理しています。介護入居施設では、心拍数が自動記録される見守りセンサーや夜間の在室確認カメラなど、ご利用者様の安全を守る数多くのシステムを導入しています。これらのIT技術により、業務の効率化や少人数化が図れ、派遣社員・パート社員等の削減による人件費の抑制につながっています。

<質問4>

質問:今後、増配は考えていますか?

回答:まずは、成長投資や安定経営に向けた自己資本の充実を図りながら、安定的な配当を継続してまいります。配当政策の拡充については、将来の事業成長や業績の状況を踏まえながら検討していきたいと考えています。

<質問5>

質問:サービス付き高齢者住宅の現在の稼働率を教えてください。

回答:現在の入居率は約90パーセントとなっています。コロナ禍で入居営業ができず一時的に入居率が下がっていましたが、新型コロナウイルス感染症が5類に分類された春先以降、営業活動を再開しています。今後はコロナ禍以前の95パーセント程度まで回復してくると予想しています。

<質問6>

質問:今後伸ばしたいセグメントはどの分野でしょうか? そのように考える理由も教えてください。

回答:政府による少子化対策・子育て支援策の拡充は、当社の子育て支援事業(保育・学童)にとって成長の機会になると考えています。医薬事業とともにグループを支える主力事業になることを期待しています。

<質問7>

質問:自己資本比率の最終的な目標はどのくらいと考えているのでしょうか?

回答:2021年10月のライフサポート社の子会社化により自己資本比率は低下していましたが、今後は30パーセント以上を目指し、企業体質の向上に向けて取り組んでまいります。

<質問8>

質問:株主優待を廃止する企業も出ていますが、御社のお考えを教えてください。

回答:株主優待制度を廃止する企業も増えていますが、当社は今後も継続していく予定で、将来的には更なる拡充も検討していきたいと考えています。

<質問9>

質問:株主優待は「QUOカード」以外に「Amazonギフトカード」も加えて選択制とすることはできないでしょうか?

回答:多くの店舗で利用できる「QUOカード」の利便性は高く、現時点で優待品の変更や追加は予定していませんが、株主のみなさまからのご意見も参考にしながら検討していきたいと思います。

配信元: ログミーファイナンス

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