【買い】日本ケミコン (6997):営業利益のV字回復、株価上昇を期待
生産する製品は90%がアルミ電解コンデンサで、世界中で製造・販売されています。
世界の主要なマーケット10カ国に製造・販売拠点を展開しており、最も大きな市場は中国地域で売上全体の45%、続いて日本が21%、ASEANで13%、ヨーロッパと米国がそれぞれ10%となる売上構造です。
アルミ電解コンデンサの性能を決める「アルミニウム電極箔」の開発で世界最先端の技術を有しており、競合するコンデンサメーカーにも販売されているほどです。
コンデンサは蓄電機能やノイズ吸収機能など、電子機器に無くてはならない電子部品で、私たちの生活の中でも1000個規模のアルミ電解コンデンサが使われているといいます。
薄型テレビやエアコン、洗濯機などの家電、パソコンやゲーム機、太陽光発電などで10個から60個程度が使われています。また、自動車は50~200個が使われており、自動車の電装化が進むにつれ、需要の拡大が見込まれます。
業績をみると、アルミ電解コンデンサは産機向けでは足踏み状態が続く一方で、車載向けが好調に推移しています。省エネニーズの高まりを背景としたエアコン、太陽光発電関連も伸長しています。
円高による影響が大きく、2017/3期第1四半期の業績は最終赤字となりましたが、通期では売上高が5.4%減の1120億円、英魚利益が19.3%増の26億円、経常利益が105.9%増の24億円、純利益が15億円と経常利益ベースで2倍の増益が見込まれています。
車載向けは一台当たりに搭載されるコンデンサの数が他の電子機器に比べ非常に多く、自動運転車やEVなどエレクトロニクス化が著しく進んでいる分野でもあるため、今後、同社の売上に占める割合は大きく拡大することになります。
16/3期では26%程度だった車載向けは同社見通しでは2020年に36%まで拡大すると見込まれています。
(中国経済の低迷が懸念されていますが、中国ではエレクトロニクス分野での成長が政府主導で推進されており、IT関連市場はまだ成長余地が大きく残されています。)
同社は11月2日に決算発表を予定しています。