2. 事業セグメント別動向
(1) ランプ事業
2019年3月期第2四半期のランプ事業は、売上高1,610百万円(前年同期比1.1%増)、営業損失16百万円(前年同期は6百万円の営業損失)と、微増収ながら営業損失が拡大して着地した。
MLSは製造装置事業に含まれるため、ランプ事業の製品ラインナップは、補修用のMLS用光源ランプを筆頭に、プロジェクター用ランプ、ハロゲンランプ、LEDランプなどだ。MLS用光源ランプは過去に納入したMLSが積み上がるため増収基調にあるが、一方で照明用ランプの競争が激しく、プロジェクター用ランプは漸減基調が継続しているため、これらがMLS用光源ランプの伸びを減殺する構図となっている。2019年3月期第2四半期も同様の構図が続いて売上高は前年同期比1.1%増の微増収となった。
利益面では、2018年3月期に一般照明用ランプの稼働率低下で利益率が大きく低下したことが2019年3月期第2四半期も尾を引いており、それが2019年3月期第2四半期の営業損失につながったと弊社ではみている。
(2) 製造装置事業
2019年3月期第2四半期の製造装置事業は、売上高8,404百万円(前年同期比8.6%増)、営業利益1,712百万円(同6.3%減)と増収減益となった。
2018年3月期は新製品であるHRPの大型受注・売上計上があったことで売上高と利益がともに急拡大した。2019年3月期はその反動減を想定していたが、2019年3月期第2四半期は増収を確保するとともに、利益の落ち込み幅も予想よりも小さく6.3%(115百万円)減にとどまった。前述したように、2019年3月期第2四半期決算において営業利益が大きく上振れ3つの要因がすべて製造装置事業に関わるものであることがセグメント営業利益の減益度合いの縮小につながった。
製造装置事業の中核は子会社のナカンテクノが担っている。その中身は、配向膜製造装置に代表されるフレキソ印刷機、前期に大きく伸長したHRPを始めとする新規装置、中古設備移設を内容とするプラント、保守・メンテナンスや既存装置の改良工事などを行うその他の4つに分けられている。2019年3月期は新規装置が大きく減少する半面、それ以外のフレキソ印刷機やプラント、その他が拡大して前期比微減収で計画している。2019年3月期第2四半期の進捗としては、各サブセグメントともにほぼ計画線での推移となったもようだ。HRPについては2019年3月期通期で10台の受注・販売を予想して臨んだが2019年3月期第2四半期中に10台の受注獲得に成功したとしている。
製造装置事業のうち、MLS関連の売上高はMLS本体及び補修用光源ランプともここ数年伸びが加速している状況だ。2019年3月期は通期で前期比約21%増益の約4,500百万円を予想しているが、2019年3月期第2四半期はその計画に沿って順調に推移したとみられる。
(3) 人材サービス事業
2019年3月期第2四半期の人材サービス事業は、売上高2,511百万円(前年同期比21.8%増)、営業利益116百万円(同23.4%増)と大幅増収増益なった。
ヘリオステクノホールディング<6927>は子会社の日本技術センターを通じて技術者派遣、設計請負及び製造派遣の各事業を地域密着型で展開している。日本全体で労働力不足が強まる事業環境のなか、2019年3月期第2四半期は派遣者数の増加によって売上高は順調に拡大した。
同社に限らず人材派遣サービス業界全般に、人材獲得費用(派遣原価)の上昇で利幅が圧迫される方向にあるが、同社は2019年3月期第2四半期の利益率について前年同期比横ばいを維持することに成功した。派遣単価の引き上げや地域密着型経営を生かした費用の削減、単価の高い派遣技術者の構成比増などの複数の努力を積み重ねた結果と弊社ではみている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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