「パワー半導体」が4位、世界で日本企業の優位性が浮き彫りに<注目テーマ>
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10 2021年のIPO
みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「パワー半導体」が4位となっている。
世界的に半導体の需給逼迫が続いており、自動車の生産調整の動きなどサプライチェーン問題を背景に、半導体設備投資の重要性が改めて認識された。既に韓国のサムスンや台湾のTSMC<TSM>など世界を代表する大手半導体メーカーも生産設備増強を積極的に進める計画を明らかにしている。
メモリー価格は足もと低下傾向にあるなど、7~9月期をピークに需給が緩む可能性も指摘されているが、パワー半導体については、世界的な脱炭素に向けた取り組みが加速していることを背景に、電源機器や電気自動車(EV)などで電力変換に使われるデバイスとして需要は増勢の一途となっている。
パワー半導体は、メモリーなどの「演算」や「記憶」などの働きをする半導体とは異なり、電子機器へ電力を供給したり制御したりする役割を担い、モーターの駆動や交流と直流の変換などで必須デバイスとなっている。国内重電大手各社は、このパワー半導体で、世界売上高シェア上位に揃って名を連ねており、日本の優位性が浮き彫りになっている。他の半導体と比べてカスタム性に富んでいることから参入障壁も高く、日本企業の同分野における地位は今後も揺らぐことがない。
今月に入って経済産業省が、脱炭素技術の研究開発や普及を支援する2兆円の基金からデジタルインフラ事業に1400億円あまりを拠出する方針が伝えられたが、その柱となるのがパワー半導体だ。次世代パワー半導体には最大520億円程度を配分するとされ、関連銘柄の株価刺激材料となった。次世代半導体材料として有力な炭化ケイ素(SiC)については、関連特許の競争力で日本企業が世界の上位を独占している状況にある。そうしたなか、今月21日には、ローム<6963.T>が中国自動車部品大手の正海集団と12月に上海で合弁会社を設立することを発表。EV向けにSiCを使ったパワー半導体モジュールの開発や販売を行う見通し。こうした連携による業容拡大の動きは、技術力で優位に立つ日本企業主導で、今後多方面で表面化する可能性がある。
関連銘柄ではこのロームのほかに、東芝<6502.T>、三菱電機<6503.T>、富士電機<6504.T>など大手重電メーカーの動きがマークされる。またパナソニック<6752.T>と共同開発体制を敷いている三社電機製作所<6882.T>や酸化ガリウムパワー半導体開発で先駆するタムラ製作所<6768.T>、車載向けや産業機器向けで実績の高いトレックス・セミコンダクター<6616.T>などが改めて注目されそうだ。
出所:MINKABU PRESS
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