開発の背景
現在運用されている5G FR1を用いたサービスにおいて、ライセンスバンド[※3]は6 GHz以下です。しかし、昨今のモバイルデータトラフィックの増加に対応するため、3GPP Release 17にて5G FR1のライセンスバンドが、6 GHz帯(5.925 GHz-7.125 GHz)まで拡張されました。
6 GHz帯は、Wi-Fi等のアンライセンスバンド[※4]でも使用が検討されていたため、周波数の運用方法に関して各国で意見が分かれていました。2023年12月に閉幕したWRC-23 [※5]にて、6 GHz帯のアッパーバンド(6.425 GHz-7.125 GHz)は、5G FR1のライセンスバンド用として割り当てることが合意されました。この合意を受けて、アッパーバンドは、2023年7月に割り当て済みの中国に続き、欧州やアフリカ地域にも、割り当てられることが決定しました。
5G FR1対応デバイスのRF性能は周波数によって異なることから、各国の6 GHzライセンスバンドのサービス導入に向けて、MT8000Aが6 GHz帯のRF試験に対応しました。
MT8000Aについてもっと詳しく
https://www.anritsu.com/ja-jp/test-measurement/products/mt8000a
用語解説
[※1] FR1
Frequency Range 1の略。5G NRで運用される0.41 GHz- 7.125 GHzの周波数帯。
[※2] RF試験
携帯端末などの無線送受信特性、パフォーマンスなどを確認するための試験。
[※3] ライセンスバンド
運用するにあたり免許を必要とする周波数帯域。
[※4] アンライセンスバンド
運用するにあたり免許を必要としない周波数帯域。
[※5] WRC-23
World Radiocommunication Conference 2023の略。情報通信に関する国際標準の策定などを行う国連の専門機関の一つであるITU-R(ITU Radiocommunication Sector:国際電気通信連合無線通信部門)が3年から4年に一度開催し、無線通信規則 (以下RR:Radio Regulations)を改定する権限を持つ。RRはITU加盟国に対して法的な拘束力がある国際規律。
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