アンリツ株式会社(社長 濱田 宏一)は、9kHzから70GHzまでの周波数に対応する信号発生器MG36271Aの販売を開始しました。業界最高水準の「信号純度」「出力パワー」「周波数安定性」を持つMG36271Aは、航空宇宙、防衛、試験計測、通信市場などで用いられるデバイスや機器の評価を高精度に実施でき、Q/V周波数帯[※1]のデバイスや機器の研究開発に貢献します。
![](https://prtimes.jp/i/109169/57/resize/d109169-57-dd9c02f64a69bf092b31-0.png)
開発の背景
ICT社会の進展で、広帯域通信の要求が飛躍的に高まっており、Q/V周波数帯を使用した通信需要の増加が見込まれています。Q/V周波数帯の研究開発において、従来は、Q/V周波数帯の測定システムを構築するにあたり、低い周波数に対応した信号発生器に外付けで複数の逓倍器を付加することで、必要な基準信号を生成していました。この場合、外部機器を通すことによる信号の減衰や信号純度の劣化を補完するために、さらにフィルタやアンプといった外部機器も必要となります。そのため、測定システムの制御が複雑になり、測定精度や安定性の担保が課題となっていました。高度な測定が求められるQ/V周波数帯において、これらの課題を解決し、デバイス・機器の研究開発に最適な信号発生器が求められていました。
製品の特長
・業界最高水準の信号純度(位相雑音性能)
位相雑音は10GHz、10kHzオフセットで-136dBc/Hz(代表値)、-140dBc/Hz(実測値)で、高調波が非常に少なく、これまでにない信号純度を実現しています。この性能が、逓倍器を通した後の信号のハーモニック成分を少なくし、後付けのフィルタ等の測定系を簡単にします。
・出力パワー
70GHzで+9dBmの出力パワーは、Q/V周波数帯のさまざまな測定アプリケーションに対応します。外付けアンプを無くし、あるいは低減します。
・周波数安定性
原子時計リファレンスのMG36271Aの周波数安定性(アラン偏差)は、8x10E-12/100secで、既存のOCXO[※2]リファレンスの信号発生器より1桁優れています。基準信号源として従来の信号発生器よりも優れています。
用語解説
[※1] Q/V周波数帯
通信などで使用される周波数帯は、アルファベットで表現されることがある。Qバンドは、33~50GHz、Vバンドは50~75GHzの周波数帯を指す。
[※2] OCXO
OCXOとは、恒温槽によって出力周波数を安定にする水晶発振器のこと。OCXOリファレンスとは、OXCOの周波数を基準としていることを意味する。
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