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船場、建設廃棄物の分別を徹底し、内装工事における1次リサイクル率平均94%を達成

配信元:PR TIMES
投稿:2024/10/02 17:47
株式会社船場(本社:東京都港区、社長:八嶋大輔)は、2021年よりミッションに「未来にやさしい空間を」を掲げ、人・環境・社会に配慮したエシカルデザインによる空間づくりを行っています。「つくる」だけでなく「つかう」や「すてる」まで責任を持ったゼロウエイストな空間づくりを目指し、施工・解体現場での廃棄物の分別、混合廃棄物の削減に取り組んでいます。2024年に船場が請け負った全ての施工案件の1次リサイクル率(*1)平均94%を達成しました。

*1 「1次リサイクル率」:現場で出た全廃棄物量のうち、マニフェストの排出品目ごとに分別した割合




1.背景
建設・内装業界では、“つくっては壊す”というスクラップアンドビルド方式が長年主流であり、大量の廃棄物を毎年排出しています。令和4年度の産業廃棄物排出量を業種別に見ると、建設業からの排出量は8,017万トンと全体の約21%(*2)を占めています。特に、建設混合廃棄物の再資源化・縮減率は63.2%とほかの建設廃棄物と比べて低く(*3)、リサイクルされず埋め立て処分となるものもあります。

リサイクルするためには廃棄物を素材ごとに分別する必要があります。しかし、内装工事の解体現場から出る廃棄物は品目が多く、分別が困難な状況では混合廃棄物として中間処分場へ受け渡すのが一般的です。近年の内装仕上げは防炎や断熱、抗菌など機能性が重視される傾向にあり、複合的に素材を組み合わせているため、中間処分場での分別にかかる労力も大きくなり、リサイクルできる素材が埋め立て処分されることも少なくありません。

*2出典:環境省環境再生・資源循環局廃棄物規制課「令和5年度事業 産業廃棄物排出・処理状況調査報告書 令和4年度速報値(概要版)」
*3出典:国土交通省「建設リサイクル推進計画2020~「質」を重視するリサイクルへ~の概要1.」

2.埋め立て処分される混合廃棄物を減らすため、内装工事現場での確実な分別を実施
上記の問題に向き合うため、船場は2020年にゼロウエイスト推進室を設立。「つくる」だけではなく「つかう」や「すてる」まで責任を持ち、ゼロウエイストな施工を目指すため、まずは、分断されがちだった施工会社、解体工事会社、収集運搬会社、中間処分会社、リサイクル会社など、空間づくりの川上から川下までの各関係企業に協力を仰ぐところから取り組みを開始しました。

対話をしていく中で、工事現場から排出する際に廃棄物を素材ごとに細かく分別することで、その先の中間処分会社の負担を減らし、最終的にリサイクル率を高めることができると考え、2021年より廃棄物の分別排出を開始。8つの重点分別品目を掲げ、現場での分別を始めました。工事現場での分別の負担をできるだけ減らすため、協力企業と何度も試行錯誤を重ね、現在では、船場が施工を請け負う全ての現場で廃棄物の分別排出を行うことができるようになりました。

船場で作成した分別ポスター

現場での分別の様子


3.内装工事における1次リサイクル率平均94%を達成
船場では、現場で出た全廃棄物量のうち、マニフェストの排出品目ごとに分別した割合を「1次リサイクル率」と定義しています。一般的に建設業界では「リサイクル率」は再資源化施設や最終処分会社の再資源化量をもとに算出される数値を指します。しかし、処理の過程で様々な場所から排出された廃棄物がまとめられ、その後素材ごとに異なる再資源化施設に運ばれることもあり、全ての最終処分会社での再資源化量を把握することが現段階では難しいため、船場では、現場での分別排出から一次マニフェスト(*4)の発行までを「1次リサイクル率」として算出しています。



また「1次リサイクル率」を社内でタイムリーに把握するため、素材ごとの排出数値をマニフェストから集計し、リアルタイムに閲覧できる仕組みを構築しました。施工を請け負うすべての案件を対象とし、2020年には73.3%であった平均1次リサイクル率は現在では94%まで上昇しました。

*4 マニフェスト:産業廃棄物管理票のことで、廃棄物の処理が適正に実施されたかどうか確認するために排出事業者が作成する書類。

4. 最終処分までの数値のトレーサビリティを実現し、最終リサイクル率の算出も可能に
さらに、一部の案件では、中間処分以降のトレーサビリティにも取り組んでいます。「電通デジタル本社オフィス」の内装工事では、1次リサイクル率の集計のみでなく、船場が分別排出した廃棄物の最終処分会社での再資源化量の算出に成功。1次リサイクル率100%、最終リサイクル率99%を達成しました。



>電通デジタルでのゼロウエイストの取り組みについてはこちら


5.リサイクルが難しい石膏ボードの循環を促す取り組みを開始


廃棄物のリサイクル率をさらに高めるために、現場での分別以外の取り組みも行っています。壁や天井の下地として内装工事に欠かせない石膏ボードは、使用後はリサイクル率が低く、埋め立て処分になるものが多い現状があります。船場では、森ビル、チヨダウーテ、トクヤマ・チヨダジプサムと共に、水平リサイクルに取り組み、解体時に回収した廃石膏ボードで、新たな石膏ボードを製造し、再び活用する一連のサイクルを推進しています。



>廃石膏ボード水平リサイクルについての詳細はこちら


6. 資源循環を前提とした空間づくりの実現
船場では、空間を使い終えた後のことまでを見据えた設計を行い、同じような志を持つ多くの企業との関係を広げ、資源循環型社会の共創を目指します。リサイクル率をより高めるためには、解体時のみならず、設計や施工の段階から「すてる」ことを想定する必要があります。空間づくりの全プロセスを一貫して手掛けている強みを活かし、今後は、現場での廃棄物の分別、解体現場から得た知見を設計や施工に還元し、資源循環を前提とした空間づくりをより一層進めていきたいと考えています。



【船場について】
商業施設をはじめオフィスや教育、ヘルスケア、余暇施設等の様々な空間づくりにおいて、調査・企画・デザイン・設計・施工・メンテナンスまでをトータルでサポートしています。2021年よりビジョンに「Good Ethical Company」、ミッションに「未来にやさしい空間を」を掲げています。人や地域社会、自然環境へ“おもいやり”の視点を持ち、サプライチェーン全体で未来にやさしい空間の共創を目指すエシカルデザインを推進しています。

社名 :株式会社船場 カブシキガイシャ センバ
所在地:東京都港区芝浦1‐2‐3シーバンスS館9階
上場:東京証券取引所スタンダード市場(コード番号:6540)
主な実績:サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場(設計、施工) / ISUMI Glamping Resort & Spa SOLAS(マスタープラン・設計・施工)/ Tokyoシェアオフィス墨田(プロダクション・設計・施工)/ 三井ショッピングパーク ららぽーと門真・三井アウトレットパーク 大阪門真(調査企画・マスタープラン・設計・環境デザイン・施工)
配信元: PR TIMES

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