2021年12月期については、DX事業、デジタルマーケティング事業ともに好調に推移していることから、2021年9月に業績予想の上方修正を発表した。売上高が前期比32.1%増の15,620百万円、営業利益が同64.8%増の1,131百万円、経常利益が同64.6%増の1,124百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同61.2%増の702百万円としている。
DXトレンドの進展やインターネット広告市場の拡大を背景に、コロナ禍でも各事業が高い成長を継続し、M&Aや人材投資、新規事業の先行投資などにより費用は増加する見込みではあるが、大幅な増収増益予想となっている。なお、株式報酬費用計上の一過性要因を除いた実質ベースの営業利益は、前期比77.0%増の1,259百万円となる見通し。
通期業績予想に対する進捗率は、売上高が76.1%、営業利益が80.2%、経常利益が81.8%、親会社株主に帰属する当期純利益が74.0%と好調に推移している。下期もタレントマネジメントシステム等の新規事業への投資を継続し、収益フェーズへの早期移行を目指していることから、2021年9月に上方修正した通期業績予想を据え置いたものの、市場の拡大や好調な進捗を考慮すると、上振れて着地する可能性が高いと弊社では見ている。さらに2022年12月期についても、既存事業のさらなる成長に加え、2021年12月期に実施したM&Aや先行投資が寄与することなどから、収益拡大基調が続くと弊社では期待している。
なお、セグメント別の施策は以下のとおり。
(1) DX事業
注力するSalesforce案件の受注が好調に推移していることに加え、採用・教育活動も順調に進んでいることから早期に開発体制を強化することができ、想定よりも利益率が改善できている。施策としては、Sharing Innovationsの子会社であるSharing Innovations Vietnam Co., Ltd.でのオフショア開発やTableau Softwareとのパートナー契約なども活用して、開発力、展開力、収益力をさらに強化していく方針である。
(2) デジタルマーケティング事業
インターネット広告市場が伸長する環境の下、市場の成長を取り込むべく、既存顧客への追加提案や新規顧客開拓が順調に進み、当初の想定を上回る勢いで受注が推移している。施策としては、DX事業と連携することでデジタルマーケティングのトータルソリューションを強化し、顧客のマーケティングDX支援を推進していく。
(3) その他事業
チャット占いアプリ「ウラーラ」は成長が継続すると見込んでいる。Sharing Innovations Vietnam Co., Ltd.への開発体制の移管が、運営コストの低減に繋がっている。タレントマネジメントシステム「スキルナビ」は、マーケティング投資を継続することで市場シェアを拡大し、収益フェーズへの早期移行を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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